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「ビッグデータで値上げ」は期待、では外資参入や建築確認問題は?

特集
2024年12月5日 9時35分

すご腕投資家さんに聞く「銘柄選び」の技 amaちゃんの場合
Part2~第3回

登場する銘柄
エリアリンク<8914>


イラスト:福島由恵
■amaさん(ハンドルネーム・60代・男性)のプロフィール:
定年退職してから配当収入で暮らしている専業投資家。日本株資産の3億5000万円の大部分をエリアリンクに配分している。2024年に確定する配当金は1000万円以上を見込む。銘柄選びでは、サラリーマン時代に新規事業開発やグループ会社の経理監査を担当した際に培った統計分析の手法などを活用している。

「本コラム」の記事一覧を見る

第1回「『御社の成長戦略は万全ですか?』 億り人が勝負銘柄のトップに迫る」を読む

第2回「30代のサラリーマン社長、DX推進で3倍速成長に挑戦、その勝算は」を読む

億り人のamaさんが勝負銘柄のエリアリンク<8914>の鈴木貴佳社長に同社の成長戦略を聞くシリーズの3回目は、前回に続いて鈴木社長とのやりとりを紹介する。

今回は、同社の基幹事業であるストレージ事業の収益性の改善や、同業他社と比べた強みや課題などについて聞いた。

質問は、前回同様に編集部が主体となって進め、amaさんが必要に応じて補足する形態としている。

(聞き手は真弓重孝、高山英聖/株探編集部)

■収益性の改善に関する主な質問

【タイトル】

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――自社店舗の運営において、増収増益に寄与する施策はありますか?

鈴木社長(以下、鈴木): 主に、損益分岐点までの期間の短縮や、トランクルームの利用料金と付帯サービスの値上げがあります。

損益分岐点までの期間は、足元で9カ月程度を要します(下の図)。土地を契約してトランクルームを立ち上げるまでに4カ月。その後営業を開始し、損益分岐点である稼働率55%に到達するまでにもう5カ月ほどかかる計算です。

立ち上げまでの4カ月は、2~3年かけて1カ月短縮し3カ月にする計画です。これによって、今より1カ月前倒しで収益機会を得られることになります。

一方、損益分岐点までの期間を短縮できるかは、地域での認知度をいかに高められるにかかっています。PRなどの認知度向上策や、身近な場所での出店を増やしてトランクルームの存在感をより強めていくことなどで、短縮化を進められると見ています。

■土地を確保してから損益分岐点に到達するまでのイメージ

【タイトル】

――利用料金の引き上げについては。

鈴木: トランクルームの利用料金は、定期的に値上げしています。価格改定分のほとんどは利益増に貢献できると見ています。

今年は3万件で実施し、そのうち解約は1%にとどまっています。値上げの対象は、空室ができてもすぐに埋まりそうな物件とし、全体の稼働率に響かないよう選別しています。

amaさん: 一律に値上げするのではなく、ビッグデータの活用で解約リスクが低いところを絞り込むのですね。万が一、解約が増加し稼働率が下がりそうなら、その際は値下げをして稼働率の極端な落ち込みを避けるということもできそうです。ビッグデータでダイナミックに価格設定できる素地ができたといえますね。

鈴木: トランクルームの利用料金以外では、付帯サービスの月額利用料も今年(2024年)に引き上げました。鍵の紛失などのトラブルに対応する「安心保証パック」「安心保証パック+」の月額を、110~220円引き上げて、現在は月額で770~990円で提供しています。

ただし、その対象は新規契約者としていますが、来年(25年)はさらに踏み込み、既存契約者も値上げの対象とする予定です。

既存利用者の契約数が5万件だとしたら、値上げ幅の平均を月200円とすると、年間1億2000万円ほどの業績押し上げ効果を見込めます。

■「安心保証パック」「安心保証パック+」の値上げ効果

【タイトル】

注:概算、既存契約者のみ

■amaさん(左)とエリアリンクの鈴木貴佳社長【タイトル】

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――自社店舗の運用以外で、収益性を上げる取り組みはありますか。

鈴木: 主に利益率アップに寄与しそうなのが、前回も申し上げた「パートナー制度」の推進です。

このサービスでは、当社が他社物件の管理業務を受託し、毎月賃料の10%にかかる管理手数料、また付帯サービスの手数料、更新手数料といった各種フィー収入を見込みます。

自社保有の場合に比べて収入の規模は見劣りしますが、ほとんど原価がかからないため利益率が非常に高くなります。

なぜそれが可能かというと、ITの活用や外部企業との連携で、当社は人を常駐させずにトランクルームを運営できる体制を構築できているからです。運営室数が増えても、オペレーションに必要な人員数はさほど増えるわけではないのです。

――成長を続けるうえでは同業他社の存在も無視できません。自社の強みと課題をどう認識していますか?

※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。

次ページ 社長が考える自社の強みと課題を4つに分けて解説

 

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