ユーロ週間見通し:伸び悩みか、ECBは追加利下げの公算
■下げ渋り、仏政治不安緩和でユーロ売りは縮小
今週のユーロ・ドルは下げ渋り。フランス下院で内閣不信任が可決されるとの見方で週初にリスク回避のユーロ売り・米ドル買いが活発となった。12月5日に内閣不信任が可決されたが、マクロン仏大統領は任期満了まで職務を全うする姿勢を見せたことでフランスの政局不安は緩和され、週後半はユーロを買い戻す動きがみられた。取引レンジ:1.0461ドル-1.0630ドル。
■弱含みか、欧米中銀の異なる政策方針で下押しも
来週のユーロ・ドルは弱含みか。低調なユーロ圏経済指標を背景に欧州中央銀行(ECB)の理事会メンバーからら追加利下げに前向きな見解が相次ぎ、ユーロ売りは継続しそうだ。対米貿易関係の不透明感もユーロ売りを支援。一方、米インフレ指標が市場予想と一致、または上回った場合、追加的な緩和措置への思惑は後退し、ユーロ売り・米ドル買いが強まりそうだ。
予想レンジ:1.0400ドル-1.0700ドル
■下げ渋り、フランス政治不安を懸念したユーロ売りは縮小
今週のユーロ・円は下げ渋り。フランスの政治不安を懸念したユーロ売り・円買いが一時活発となった。12月5日に内閣不信任が可決されたが、マクロン仏大統領は任期満了まで職務を全うする姿勢を見せたことを受けてリスク回避のユーロ売りは縮小。米ドル売り・円買いも一服したことから、ユーロ・円は一時159円台半ばまで戻した。取引レンジ:156円17銭-159円57銭。
■伸び悩みか、ECBは追加利下げの公算
来週のユーロ・円は伸び悩みか。ユーロ圏のさえない経済指標を受けて欧州中央銀行(ECB)当局者から追加利下げに前向きな見解が相次いでおり、追加利下げは確定的。米次期政権による関税強化計画も、ユーロ売りを後押ししよう。日本銀行による12月利上げの可能性は消えていないこともユーロ・円相場を圧迫する一因となる。
○発表予定のユーロ圏主要経済指標・注目イベント
・12日(木):欧州中央銀行(ECB)政策金利発表
予想レンジ:157円00銭-160円00銭
《FA》