株価指数先物【寄り前】 +1σ水準での底堅さを見極め

市況
2024年12月10日 8時02分

大阪12月限ナイトセッション

日経225先物 39310 +100 (+0.25%)

TOPIX先物 2747.5 +9.5 (+0.34%)

シカゴ日経平均先物 39320 +110

(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

9日の米国市場は、NYダウ S&P500ナスダックの主要な株価指数が下落。17~18日に開かれる米連邦公開市場委員会(FOMC)では利下げを継続するとの観測が強まるなか、政策判断を決定づける米消費者物価指数(CPI)の発表を11日に控えて、買いが手控えられた。また、エヌビディア<NVDA>は、中国当局が同社を独占禁止法違反の可能性で調査を開始したと発表したことが嫌気された。そのほか、BofAによる格下げが伝わったアドバンスト・マイクロ・デバイセズ<AMD>が5%を超す下落となり、半導体株SOX指数は下落。

NYダウ構成銘柄ではエヌビディアのほか、IBM<IBM>やトラベラーズ<TRV>、セールスフォース<CRM>、シスコシステムズ<CSCO>が売られた。一方、アップル<AAPL>、ユナイテッドヘルス・グループ<UNH>、キャタピラー<CAT>が堅調。

シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比110円高の3万9320円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは日中比110円高の3万9320円で始まり、3万9420円まで買われた後は3万9290円まで軟化した。ただし、再びロング優勢となり、米国市場の取引開始後には3万9530円まで買われる場面もみられた。中盤以降は3万9290円~3万9480円辺りでのレンジ推移が続き、3万9310円でナイトセッションの取引を終えた。

日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや買い先行で始まることが見込まれる。ナイトセッションは節目の3万9500円辺りでは上値を抑えられる形となったが、下値はボリンジャーバンドの+1σ(3万9320円)水準での底堅さがみられた。狭いレンジで煮詰まり感が台頭してくるようだと、+1σを支持線として3万9500円から+2σ(3万9820円)辺りが意識されてくるため、ショートカバーを誘う流れからロングが強まりやすいだろう。

ただし、米CPIの結果を見極めたいとする姿勢が強まると考えられ、積極的にはポジションを傾けてくる展開は考えにくい。また、中国当局によるエヌビディアの調査の影響も警戒されるため、指数インパクトの大きい値がさハイテク株が日経平均型の重荷となる。そのため、短期的には戻りの鈍さがみられる局面ではショートが入りやすいとみられ、押し目狙いのロング対応となりそうだ。

もっとも、週末に先物・オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)を控え、限月交代に伴うロールオーバーが中心になる。節目の3万9500円を明確に上放れてくるようだと、ヘッジ対応の動きが強まる可能性はある。ロールオーバーの過程でレンジを切り上げてくる展開も意識しておきたい。

9日の米VIX指数は14.19(8日は12.77)に上昇した。前週末に7月以来の13.00を下回ってきたことで、いったんはリバウンドが入りやすいタイミングではある。ただし、半導体を巡る米中対立への懸念から上昇したとみられ、投資家心理をやや神経質にさせそうである。

昨日のNT倍率は先物中心限月で14.32倍に低下した。一時14.35倍を付けた後は、アドバンテスト <6857> [東証P]など値がさ半導体株の下げが影響する形となり、14.29倍まで下げる場面もみられた。これにより75日移動平均線(14.32倍)を下回ってきたが、25日線(14.29倍)辺りを支持線とした動きになった。本日も半導体株の弱さが重荷となる可能性があるため、NTショートに振れやすいだろう。25日線のほか、200日線(14.27倍)辺りで下げ止まりをみせるかを見極めたい。

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