9日の米国市場ダイジェスト:NYダウは240ドル安、地政学的リスクを警戒
■NY株式:NYダウは240ドル安、地政学的リスクを警戒
米国株式市場は下落。ダウ平均は240.59ドル安の44,401.93ドル、ナスダックは123.08ポイント安の19,736.69で取引を終了した。
過去最高値付近でのもみ合いで、寄り付き後、まちまち。ダウは連邦準備制度理事会(FRB)の追加利下げや中国の景気支援計画への期待に一時買われたが、シリアのアサド政権崩壊などを受けた地政学的リスクを警戒した売りに押され、下落に転じた。ナスダックも利益確定売りに加え、半導体のエヌビディア(NVDA)の下落が重しとなり指数を押し下げ。相場は終盤にかけて、下げ幅を拡大し、終了した。セクター別ではテクノロジー・ハード・機器が上昇した一方、半導体・同製造装置が下落。
チョコレートメーカーのハーシー(HSY)は飲食品メーカーのモンデリーズ・インターナショナル(MDLZ)が同社買収を検討しているとの報道を好感し、大幅高。モンデリーズ・インターナショナル(MDLZ)は下落した。ソーシャルネットワークのプラットフォームを提供するレディット(RDDT)は人工知能(AI)サーチ機能を発表したほか、アナリストが投資判断を引き上げ、上昇した。財務・人事管理ソフトウエアのワークデイ(WDAY)はS&Pダウ・ジョーンズ・インデックスが同社をS&P500種株価指数の構成銘柄
に採用すると発表し、上昇した。
一方、一部アナリストが銘柄採用を予想していたテクノロジー会社のアップラビン(APP)は採用されず大幅安。半導体のエヌビディア(NVDA)は中国が独禁法違反の疑いで同社の調査を開始したとの報道が嫌気され、下落した。
ソフトウエア・メーカーのオラクル(ORCL)は取引終了後に第2四半期決算を発表。調整後の1株当たり利益が予想を下回り、時間外取引で下落している。
(Horiko Capital Management LLC)
■NY為替:中国の景気刺激策への期待でリスクオン
9日のニューヨーク外為市場でドル・円は150円70銭から151円35銭まで上昇し、151円23銭で引けた。中国の景気刺激策を期待しリスク選好の円売りが優勢となったほか、今週の国債入札を控え、米長期金利の上昇に連れドル買いも強まった。
ユーロ・ドルは1.0594ドルまで上昇後、1.0546ドルまで反落し、1.0551ドルで引けた。高値から、欧州中央銀行(ECB)が今週の定例理事会で利下げを実施することを織り込んだユーロ売りにおされた。ユーロ・円は159円29銭から160円00銭まで上昇。ポンド・ドルは1.2799ドルまで上昇後、1.2742ドルへ反落した。ドル・スイスは0.8799フランから0.8759フランまで下落した。
■NY原油:反発で68.37ドル、一時68.88ドルまで買われる
NY原油先物1月限は反発(NYMEX原油1月限終値:68.37 ↑1.17)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物1月限は、前営業日比+1.17ドル(+1.74%)の68.37ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは67.08ドル-68.88ドル。主要産油国による減産体制の長期継続が改めて意識され、米国市場の中盤にかけて68.88ドルまで買われたが、ただ、その後は伸び悩み、通常取引終了後の時間外取引では主に68ドル台前半で推移。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 45.91ドル -0.84ドル(-1.79%)
モルガン・スタンレー(MS) 128.58ドル -1.38ドル(-1.06%)
ゴールドマン・サックス(GS)594.12ドル -5.56ドル(-0.92%)
インテル(INTC) 20.81ドル -0.11ドル(-0.52%)
アップル(AAPL) 246.75ドル +3.91ドル(+1.61%)
アルファベット(GOOG) 177.10ドル +0.61ドル(+0.34%)
メタ(META) 613.57ドル -10.20ドル(-1.63%)
キャタピラー(CAT) 399.26ドル +4.23ドル(+1.07%)
アルコア(AA) 41.99ドル -0.50ドル(-1.17%)
ウォルマート(WMT) 93.83ドル -1.87ドル(-1.95%)
《ST》