為替相場の落ち着きから底堅い相場展開に/オープニングコメント
10日の日本株市場は、やや買い先行で始まった後はこう着感の強い相場展開になりそうだ。9日の米国市場はNYダウが240ドル安、ナスダックは123ポイント安だった。米連邦公開市場委員会(FOMC)での追加利下げへの見方は変わらないが、11日に発表を控えている米消費者物価指数(CPI)が影響を与えるとの見方から、結果を見極めたいとする様子見姿勢が強まった。また、中国当局がエヌビディアを独占禁止法違反の可能性で調査を開始したと発表したことが重荷となった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比110円高の39320円。円相場は1ドル151円20銭台で推移している。
日経平均株価はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや買い先行で始まりそうだ。米国では主要な株価指数が下落したほか、エヌビディアなど半導体株の一角が弱い値動きだったこともあり、指数インパクトの大きい値がさハイテク株への重荷になりそうである。そのため、買い先行で始まったとしても、その後は不安定な値動きが警戒されそうである。
ただし、為替市場では1ドル=151円台と円安に振れて推移している。日銀の金融政策については、今月の金融政策決定会合での利上げ観測が後退し、来年1月の利上げが予想されている。FOMCの利下げ観測は織り込まれているなか、日米金利差縮小を警戒視した売り方の買い戻しの動きが意識されやすいだろう。週末の先物・オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)を控え、先物市場では限月交代に伴うロールオーバーが中心になるとみられるが、レンジを切り上げてくる動きとなれば、ヘッジ対応の動きが強まりやすくなる。
半導体株の動向にらみの展開になりそうだが、為替相場の落ち着きから輸出関連などに買いが向かう可能性も考えられるため、全体としては底堅さが意識されよう。そのため、押し目狙いのスタンスを想定しておきたい。また、欧州系証券では機械セクターの一角に強気格付けが観測されていることも材料視されやすいと考えられる。
《AK》