ビジョナル Research Memo(2):テクノロジーを活用し、社会の課題解決を目指すDXカンパニー
■会社概要
1. 会社概要
ビジョナル<4194>は、「新しい可能性を、次々と。」をミッションとし、社会における様々な「課題」を、テクノロジーを活用したサービス創造を通じて解決する事業を複数擁するデジタル・トランスフォーメーション・カンパニーである。採用業界の変革を起こしたBizReachを2009年に開始以降、主力のHR Tech領域での事業成長に加え、様々な産業のデジタル・トランスフォーメーション(DX)を推進する新規事業の創出やM&Aを活用しながら、中長期的な企業価値向上を目指している。
2. 沿革
同社の設立母体となった(株)ビズリーチは、2007年8月に資本金7百万円で東京都港区に設立された。2009年4月には即戦力人材と企業をつなぐ転職サイト「BizReach」を開始し、その後も事業を拡大してきた。2012年5月に本社を東京都渋谷区に移転し、2015年5月には求人検索エンジン「スタンバイ」を開始した。2016年6月には採用管理システム「HRMOS(ハーモス)採用」、8月にはB2Bリードジェネレーション・プラットフォーム「BizHint(ビズヒント)」を相次いで開始した。10月にOB/OG訪問ネットワークサービス「ビズリーチ・キャンパス」を開始し、2017年11月には法人限定M&Aプラットフォーム「BizReach SUCCEED(ビズリーチ・サクシード)(現M&Aサクシード)」を立ち上げた。2019年1月には人財活用システム「HRMOS(現 HRMOSタレントマネジメント)」を開始した。8月には脆弱性管理クラウド「yamory(ヤモリー)」を開始し、9月にはCloud Solutions(株)の株式を100%取得して採用管理システム「リクログ」事業を承継した。11月にはトラボックス(株)の株式を100%取得し、物流DXプラットフォーム「トラボックス」事業を引き継いだ。また、(株)スタンバイがビズリーチとZホールディングス(現 LINEヤフー<4689>)を引受先とする第三者割当増資を実施し、12月にはスタンバイ事業をスタンバイへ吸収分割により移転した。2020年2月に同社を設立し、グループ経営体制に移行した。ビジョナル・インキュベーション(株)(現 (株)M&Aサクシード)を設立し、「BizReach SUCCEED(現 M&Aサクシード)」「BizHint」「yamory」事業を承継した。また、2021年4月、東京証券取引所(以下、東証)マザーズ市場に上場した。11月には、勤怠管理システム「IEYASU(現HRMOS勤怠)」を提供するIEYASU(株)の株式をビズリーチが取得して子会社化した。また、ビジョナル・インキュベーションの社名をM&Aサクシードに変更した。さらに、同月、M&Aサクシードを分割会社とする新設分割により、ビジョナル・インキュベーション(現 (株)アシュアード)を設立し、「BizHint」「yamory」「Assured(アシュアード)」事業を承継した。2022年1月にはセキュリティ評価プラットフォーム「Assured」、2月に「HRMOS勤怠」を開始した。3月には経費精算システム「eKeihi」(現 HRMOS経費)を提供するイージーソフト(株)の株式を取得して子会社化した。4月には東証の市場区分見直しによりグロース市場へ移行した。8月には、ビズヒントを設立して「BizHint」事業を承継した。また、11月には、経費精算システム「HRMOS経費」を開始した。2023年12月にはビズヒントの全保有株式をスマートキャンプに譲渡した。加えて、東証グロース市場からプライム市場へ移行した。2024年3月、タレントアクイジションサービスを提供するInterRace(株)の株式73.3%をビズリーチが取得し、子会社化した。7月には労務・給与システム「HRMOS労務給与」を開始した。
同社の各事業は、プロフェッショナル人材(管理職・専門職等)に特化した会員制転職プラットフォーム「BizReach」や人財活用プラットフォーム「HRMOS(ハーモス)」をはじめとしたHR Techセグメントと、その他領域において新規事業を創出するIncubationセグメントにて構成される。
HR Techセグメントには、主に、即戦力人材と企業をつなぐ転職サイト「BizReach」、人材活用プラットフォーム「HRMOS」(採用管理システム、人材活用システム、勤怠管理システム、経費精算システム、労務・給与システムを含む)、OB/OG訪問ネットワークサービスの「ビズリーチ・キャンパス」、InterRace株式会社のタレントアクイジションサービスが含まれる。また、Incubationセグメントには、主に、法人限定M&Aプラットフォーム「M&Aサクシード」、物流DXプラットフォーム「トラボックス」、脆弱性管理クラウド「yamory」、セキュリティ評価プラットフォーム「Assured」が含まれる。
なお、2024年7月期の事業別売上高構成(調整額を除く)は、BizReach 87.5%、その他事業 12.5%となっており、BizReach の売上高が連結売上高の大部分を占めている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 中山博詞)
《HN》