話題株ピックアップ【夕刊】(1):トプコン、学情、日本ペHD
■トプコン <7732> 2,156.5円 +400 円 (+22.8%) ストップ高 本日終値 東証プライム 上昇率トップ
トプコン<7732>が急騰。米ブルームバーグ通信が10日、「医療機器などを手がけるトプコンが非公開化に向けて入札プロセスに入っていることが分かった」と報じ、材料視された。買い手候補には米KKR<KKR>や欧州投資ファンドのEQT、産業革新投資機構(JIC)が挙がっており、3社が2次入札に進む方向と伝えている。2次入札は月内の実施で調整が進んでいるという。
■学情 <2301> 2,041円 +266 円 (+15.0%) 本日終値 東証プライム 上昇率2位
学情<2301>が続急伸し年初来高値を更新。9日の取引終了後に発表した25年10月期単独業績予想で、売上高123億円(前期比14.6%増)、営業利益30億円(同12.9%増)、純利益23億円(同3.1%増)を見込み、年間配当予想を前期比2円増の67円としたことが好感された。引き続きキャリア採用市場における売り上げ拡大に注力する方針で、軸となる「Re就活」で登録会員数(求職者数)、掲載求人数(企業数)を増やし、更に求職者と企業のマッチングを強化するほか、「Re就活テック」を5~10年の経験を持つITエンジニアを採用できるサービスにリニューアルする。また、今年10月にローンチしたダイレクトリクルーティングサービス「Re就活30」で求職者と企業のマッチングを強化する。なお、同時に発表した24年10月期決算は、売上高107億3000万円(前の期比22.2%増)、営業利益26億5600万円(同15.0%増)、純利益22億2900万円(同27.2%増)だった。
■日本ペHD <4612> 1,095円 +65 円 (+6.3%) 本日終値 東証プライム 上昇率4位
日本ペイントホールディングス<4612>が3日ぶりに急反発した。同社は中国関連銘柄と位置付けられており、9日の中国共産党中央政治局会議で積極財政策と適度な金融緩和策の実施の必要性が言及されたことは、株価面で支援材料となった。加えてSMBC日興証券が9日、日本ペHDの目標株価を1100円から1300円に増額修正した。投資評価は最上位の「1」を継続している。米化学企業のAOCの買収を10月に日本ペHDは発表しているが、買収の影響を考慮すると25年12月期においてEPS(1株利益)が大幅に増加する見通しだと指摘。過去10年間のボトム圏にあるバリュエーションには割安感が強いとみている。同証券は日本ペHDの25年12月期EPS予想を従来の60円70銭から65円40銭に引き上げた。
■トレファク <3093> 1,419円 +45 円 (+3.3%) 本日終値
トレジャー・ファクトリー<3093>が4日続伸。9日の取引終了後に発表した11月度の月次売上高(単体)で、既存店売上高が前年同月比9.9%増と39カ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。気温が低下したことで、冬物衣類や暖房器具などの生活家電の販売が好調だった。また、天候も安定しており、ブランド品、スポーツアウトドア用品、生活雑貨など多くのカテゴリーで販売が堅調に推移した。なお、全店売上高は同21.6%増だった。
■ローム <6963> 1,460円 +44.5 円 (+3.1%) 本日終値
ローム<6963>が続伸。この日、台湾の台湾積体電路製造(TSMC)<TSM>と車載GaN(窒化ガリウム)パワーデバイスの開発と量産に関する戦略的パートナーシップを結んだと発表しており、好材料視された。GaNパワーデバイスは現在、ACアダプタやサーバー電源などの民生品や産業機器で使用されている次世代パワーデバイスの一つ。今回締結したパートナーシップにより、ロームのGaNデバイス開発技術と、TSMCの業界最先端のGaN-on-シリコンプロセス技術を組み合わせることで、高電圧・高周波特性の優れたパワーデバイスに対する需要の高まりに対応することを目指すとしている。
■ファナック <6954> 4,130円 +124 円 (+3.1%) 本日終値
ファナック<6954>やオムロン<6645>、安川電機<6506>が大幅高。中国の国営新華社通信によると、中国共産党中央政治局が9日に会議を開き、2025年の経済運営についての検討を行った。このなかで、より積極的な財政政策と、適度に緩和した金融政策を実施する姿勢が示された。中国における設備投資需要が持ち直し、ファクトリーオートメーション(FA)やロボット関連での受注が押し上げられると期待した投資家の買いが、機械関連株を押し上げたようだ。
■シャープ <6753> 951.8円 +24.6 円 (+2.7%) 本日終値
シャープ<6753>が反発。同社は9日、KDDI<9433>と自社の堺工場跡地にAIデータセンターを構築して早期に稼働させることで合意したと発表。これが材料視されたようだ。KDDIは、シャープ堺工場跡地の土地や建物、電源設備などを譲り受けることで、24年度中にAIデータセンターへの転換工事に着工し、25年度中に本格稼働を目指すという。シャープは売却を通じたアセットライト化により、ブランド事業を中心とした事業構造を確立していくとともに、KDDIによる速やかなデータセンターの構築に協力するとしている。
■キャンドゥ <2698> 3,460円 +75 円 (+2.2%) 本日終値
キャンドゥ<2698>が3日続伸。午後2時ごろに発表した11月度の月次売上高速報で、既存直営店売上高が前年同月比2.9%増となり、2カ月ぶりに前年実績を上回ったことが好感された。なお、全社売上高は同3.1%増だった。
■ヨシムラHD <2884> 1,335円 +21 円 (+1.6%) 本日終値
ヨシムラ・フード・ホールディングス<2884>が頑強な展開をみせた。同社は食品の製造販売を行うが、複数の中小食品企業をM&A戦略により傘下に収め、相互補完する形で成長を図るビジネスモデルが特徴で、海外売上高比率が全体の2割強を占めている。足もとの業績は国内外の外食需要を捉え絶好調に推移している。9日取引終了後、25年2月期業績予想の修正を発表、最終利益を従来計画の11億1300万円から15億400万円(前期比46%増)に増額修正した。最終利益は修正前時点で過去最高益更新見通しにあったが、今回大幅に上乗せされた。原子力発電所の処理水放出に伴う、外国政府の日本産水産物の輸入停止措置などの損害賠償金として、ホタテ加工の子会社が東京電力ホールディングス<9501>から約8億5000万円を受領したことで、特別利益を計上した。本業のもうけを示す営業利益は従来予想から変更なしとはいえ、前期比15%増の27億4400万円予想と2ケタ成長で連続過去最高利益更新が見込まれている。株価は底値圏に位置しているだけに、最終利益の増額修正を契機に見直しムードを誘発する可能性もある。
■マックスバリュ東海 <8198> 3,250円 +50 円 (+1.6%) 本日終値
マックスバリュ東海<8198>が続伸。9日の取引終了後に発表した11月度の月次売上高で、既存店売上高が前年同月比2.8%増となり、2カ月ぶりに前年実績を上回ったことが好感された。買い上げ点数は同2.2%減となったものの、客数、客単価、一品単価が前年を上回った。
株探ニュース