話題株ピックアップ【夕刊】(2):寿スピリッツ、バローHD、ワクー

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2024年12月10日 15時43分

■寿スピリッツ <2222>  2,141.5円  +9.5 円 (+0.5%)  本日終値

寿スピリッツ<2222>が反発。9日の取引終了後、既存株主を売り出し人とする258万4800株の売り出しと38万7700株を上限とするオーバーアロットメントによる売り出しを行うと発表。同時に、上限を200万株(発行済み株数の1.28%)、または30億円とする自社株買いを実施すると発表しており、売り出しとオーバーアロットメントによる売り出しを合わせた株数の半数以上を上限とする自社株買いを好感した買いが入った。自社株の取得期間は25年1月16日から3月31日までで、株式の売り出し実施に伴う株式需給への影響を緩和するのが狙いという。なお、売出価格は12月17日~20日のいずれかの日に決定する。

■バローホールディングス <9956>  2,142円  +8 円 (+0.4%)  本日終値

バローホールディングス<9956>が続伸。午後1時ごろに発表した11月度の月次営業情報で、主力のスーパーマーケット既存店売上高が前年同月比6.5%増と21カ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。客数が同2.2%増、客単価が同4.2%増といずれも伸長した。

■コスモス薬品 <3349>  7,053円  -447 円 (-6.0%)  本日終値  東証プライム 下落率7位

コスモス薬品<3349>が大幅反落。9日に発表した11月度の月次営業速報で、既存店売上高が前年同月比3.0%減となり、3カ月連続で前年実績を下回ったことが嫌気された。なお、全店売上高は同3.4%増だった。

■シーイーシー <9692>  1,967円  -83 円 (-4.1%)  本日終値

シーイーシー<9692>が大幅反落。9日の取引終了後、25年1月期の連結業績予想について、純利益を43億円から37億円(前期比18.5%減)へ下方修正したことが嫌気された。25年2月から開始する長期ビジョン及び中期経営計画に基づくクラウドサービスを中心とした事業への転換とデータセンターの再編により、有形固定資産の減損損失8億5000万円を特別損失として計上することなどが要因という。なお、売上高565億円(同6.4%増)、営業利益62億8000万円(同1.3%減)は従来見通しを据え置いている。同時に発表した第3四半期累計(2~10月)決算は、売上高412億2300万円(前年同期比5.0%増)、営業利益47億9400万円(同3.0%減)、純利益32億7700万円(同3.9%減)だった。顧客企業におけるICT投資の増加を受けて売上高は伸長したが、成長投資を含む販管費の増加が利益を圧迫した。

■五洋建設 <1893>  634.9円  -8.3 円 (-1.3%)  本日終値

五洋建設<1893>がジリ安歩調。同社は10日、洋上風力建設に用いる作業船として、大型基礎施工船(HLV)と大型ケーブル敷設船(CLV)に関してあわせて約790億円の設備投資を実施すると発表した。前期の連結純資産額の45.7%の規模となる。財務負担を懸念した売りに押されたようだ。建造するのは世界最大級の5000トン吊全旋回式クレーンを搭載したHLVと、将来のEEZ(排他的経済水域)における洋上風力建設を見据えた世界最大級・最新鋭のCLV。HLVとCLVは、新たに設立する子会社と芙蓉総合リース<8424>が共同で保有する。また、CLVに搭載する埋設機とワークROVは、新設子会社と小島組(名古屋市港区)が共同保有する。HLVの建造費は約1200億円(五洋建の投資額600億円)。CLVの建造費は約310億円(同155億円)。埋設機とワークROVの建造費は約55億円(同35億円)。建造資金については自己資金と借入金を充当し、HLV向けには50%を超えない範囲で、鉄道建設・運輸施設整備支援機構(JRTT)からの借り入れを検討しているという。完成引き渡し時期はHLVが2028年3月、CLVが同年2月を予定する。

■三井住友FG <8316>  3,791円  -14 円 (-0.4%)  本日終値

三井住友フィナンシャルグループ<8316>が朝高後に下げに沈んだほか、三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>やコンコルディア・フィナンシャルグループ<7186>など銀行株が総じて冴えない展開となった。日銀は9日、氷見野良三副総裁が来年1月14日に神奈川県金融経済懇談会で講演をする予定だと発表した。1月の金融政策決定会合は23~24日に開かれる予定となっているが、年明けの会合前での講演は異例と金融市場では受け止められている。氷見野副総裁が1月会合前に追加利上げの地ならしをするとの思惑が強まるのと同時に、今年12月18~19日の金融政策決定会合では、追加利上げは見送られるとの観測が広がっている。利上げ先送り観測に伴う金利の先高観の後退を受け、金利上昇メリットセクターである銀行株の買い持ち高を圧縮する目的の売りが出たようだ。

■Waqoo <4937>  1,543円  +300 円 (+24.1%) ストップ高   本日終値

Waqoo<4937>が大幅高。同社はきょう、子会社のセルプロジャパンがPDF-FD(血液加工物)の血液加工工程における高濃度の成長因子を抽出することのできる新技術「超音波破砕技術」の開発に成功し、特許を取得したと発表。これが材料視されたようだ。超音波破砕技術とは、振動エネルギーによって細胞や組織などに含まれる成長因子や生理活性物質を効率的に獲得し、濃度を高める技術。この技術を用いることにより、血管内皮増殖因子(VEGF)などの組織修復をサポートする成長因子の増加が認められ、PDF-FDの品質向上が実現するという。

■麻生フオームクリート <1730>  641円  +100 円 (+18.5%) ストップ高   本日終値

麻生フオームクリート<1730>はストップ高。9日取引終了後、日特建設<1929>から完全子会社化を目的としたTOBを受けたことを明らかにした。TOB価格を1株680円としており、これにサヤ寄せする格好となった。日特建設と麻生フオームはともに麻生(福岡県飯塚市)を親会社としており、今回のTOBによって両社は連携を更に強化し、シナジーを最大限発揮していくことを目指す。買い付け予定数は129万3729株(下限15万5800株、上限設定なし)、買い付け期間は12月10日から来年1月28日まで。TOB成立後に麻生フオーム株は上場廃止となる予定で、これを受けて東京証券取引所は9日付で同社株を監理銘柄(確認中)に指定した。

■デルタフライ <4598>  576円  +80 円 (+16.1%) ストップ高   本日終値

Delta-Fly Pharma<4598>が急騰。同社は9日の取引終了後、「DFP─10917」とベネトクラクス(VEN)の併用による急性骨髄性白血病患者を対象とした臨床第1/2相試験について、登録された最初の3症例の忍容性が、データ評価委員会で承認されたと発表した。3症例では末梢血中の骨髄細胞数が治療開始後4週間以内にゼロとなり、その後の検査で完全寛解が確認されたという。発表を材料視した買いが入ったようだ。DFP─10917とVENともに同じ用法用量で3症例を追加し、忍容性の確認ができ次第、第2相試験へ移行する予定。3次療法以降の急性骨髄性白血病患者が対象のDFP-10917単剤の第3相比較試験では、現在中間解析のためのデータクリーニング処理が進行中としている。

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