10日の米国市場ダイジェスト:NYダウは154ドル安、CPI待ち
■NY株式:NYダウは154ドル安、CPI待ち
米国株式市場は続落。ダウ平均は154.10ドル安の44,247.83ドル、ナスダックは49.45ポイント安の19,687.24で取引を終了した。
材料難で売り買いが交錯し、寄り付き後、まちまち。ダウは高値警戒感を受けた売りにおされ、終日軟調に推移した。ナスダックはアルファベット(GOOG)の上昇が一時押し上げたが、金利高を嫌気した売りに加え、オラクル(ORCL)や半導体のエヌビディア(NVDA)の下落が重しとなり、下落に転じた。終盤にかけても国内消費者物価指数(CPI)の発表を明日に控え、利益確定売りが強まり、下げ幅を拡大し終了。セクター別ではメディア・娯楽が上昇した一方、半導体・同製造装置が下落した。
航空会社のアラスカ・エア・グループ(ALK)は第4四半期の調整後1株当たり利益見通しを引き上げ、さらに、2025年にアジア、欧州への業務拡大計画を発表し、上昇。電気自動車メーカーのテスラ(TSLA)や、クルーズ船を運営するノルウエージャン(NCLH)はアナリストによる投資判断引き上げでそれぞれ上昇。検索グーグルを運営するアルファベット(GOOG)は量子チップ「ウィロー」を搭載したコンピューターによる飛躍的な成果を発表し、上昇。ドラッグストア小売のウォルグリーン・ブーツ・アライアンス(WBA)は身売りで、投資会社のシカモア・パートナーズと交渉中だとの報道が好感され、上昇。航空機メーカーのボーイング(BA)は、労組の3カ月にわたるストライキの終了で、737マックス機の生産再開を発表し、上昇。
クレジットカード会社のマスターカード(MA)は動画配信のネットフリックス(NFLX)との提携を発表し、上昇。鉄鋼会社のユナイテッド・ステイツ・スチール(X)はバイデン政権が日本製鉄による買収計画を国家安全保障を理由に正式に阻止する計画だと報じられ取引が数回中断、大幅安となった。
自動車メーカーのゼネラルモーターズ(GM)は取引終了後、クルーズのロボタクシー開発資金を停止すると発表。時間外取引で上昇している。
(Horiko Capital Management LLC)
■NY為替:米国経済に楽観的見方広がる、長期金利上昇でドル続伸
10日のニューヨーク外為市場でドル・円は151円52銭から152円18銭まで上昇し、151円92銭で引けた。米7-9月期非農業部門労働生産性改定値が昨年10-12月期以来で最大の伸びに拡大したほか、米11月全米独立企業連盟(NFIB)中小企業楽観指数が21年6月来で最高となったため米国経済に楽観的な見方が広がり、長期金利の上昇に伴うドル買いが強まった。
ユーロ・ドルは1.0532ドルから1.0499ドルまで下落し、1.0527ドルで引けた。ドイツの消費者物価指数(CPI)の伸びが7月来で最大となり、ユーロ売りが一段落した。ユーロ・円は159円46銭へ下落後、159円99銭まで上昇。ポンド・ドルは1.2724ドルまで下落後、1.2778ドルへ上昇した。ドル・スイスは0.8795フランから0.8833フランまで上昇した。
■NY原油:小幅高で68.59ドル、一時69.06ドルまで買われる
NY原油先物1月限は小幅高(NYMEX原油1月限終値:68.59 ↑0.22)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物1月限は、前営業日比+0.22ドル(+0.32%)の68.59ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは67.72ドル-69.06ドル。減産体制の長期継続によって供給超過の懸念は後退。ロンドン市場で67.72ドルまで売られたが、米国市場の後半にかけて69.06ドルまで反発。通常取引終了後の時間外取引では主に68ドル台半ばで推移。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 45.75ドル -0.16ドル(-0.34%)
モルガン・スタンレー(MS) 126.79ドル -1.79ドル(-1.39%)
ゴールドマン・サックス(GS)585.03ドル -9.09ドル(-1.52%)
インテル(INTC) 20.16ドル -0.65ドル(-3.12%)
アップル(AAPL) 247.77ドル +1.02ドル(+0.41%)
アルファベット(GOOG) 186.53ドル +9.43ドル(+5.32%)
メタ(META) 619.32ドル +5.75ドル(+0.93%)
キャタピラー(CAT) 388.39ドル -10.87ドル(-2.72%)
アルコア(AA) 41.09ドル -0.90ドル(-2.14%)
ウォルマート(WMT) 94.55ドル +0.72ドル(+0.76%)
《ST》