アドビが決算受け8%下落 予想下回るガイダンスが新興AI企業の脅威への懸念を煽る=米国株個別
(NY時間17:10)(日本時間07:10)時間外
アドビ<ADBE> 505.47(-44.46 -8.08%)
アドビ<ADBE>が下落。前日引け後に9-11月期決算(第4四半期)を発表し、1株利益、売上高とも予想を上回った。新しいクリエイティブソフトウェア事業において注目指標であるデジタルメディアの年ベース経常収益(ARR)はほぼ予想通りで11%増加した。
ただ、ガイダンスでは第1四半期の売上高見通しが予想を下回ったほか、25年度通期についても予想を下回る1株利益および売上高の見通しを示した。これが同社が新興AI企業に脅かされるとの懸念を煽っている。
投資家の間では、オープンAIやランウェイAIなどの企業がAIベースのクリエイティブツールを提供することで、同社の市場シェアが奪われるのではないかという懸念が根強い。
クリエイター向けソフトウェアの同社は、独自のAIモデル「ファイヤフライ」をフォトショップなどの既存製品に組み込むなど、アプリケーションに生成AI機能を追加している。10月に開催した年次ユーザー会議では動画作成用のAIツールを発表し、それをプロ向けの編集アプリ「プレミア」に統合し、段階的に一般公開している。
同社はビデオモデルを含むより高額な新しいファイヤフライの提供を開始する予定だと述べた。ダーンCFOは声明で「継続的な戦略として、新たな段階的サブスクサービスとアドオンを導入する」と述べた。
(9-11月・第4四半期)
・1株利益(調整後):4.81ドル(予想:4.67ドル)
・売上高:56.1億ドル 11%増(予想:55.4億ドル)
デジタルメディア:41.5億ドル(予想:41.1億ドル)
クリエイティブ:33.0億ドル(予想:32.8億ドル)
ドキュメントクラウド:8.43億ドル(予想:8.26億ドル)
デジタル体験:14億ドル(予想:13.7億ドル)
サブスク:53.7億ドル(予想:52.8億ドル)
・デジタルメディア年ベース経常収益(ARR):173.3億ドル 14%増(予想:173.0億ドル)
クリエイティブ:138.5億ドル(予想:138.3億ドル)
ドキュメントクラウド:34.8億ドル(予想:34.5億ドル)
・新規ARR:5.78億ドル(予想:5.51億ドル)
・営業利益(調整後):26.0億ドル(予想:25.3億ドル)
(12-2月・第1四半期見通し)
・1株利益(調整後):4.95~5.00ドル(予想:4.95ドル)
・売上高:56.3~56.8億ドル(予想:57.2億ドル)
デジタルメディア:41.7~42.0億ドル(予想:42.4億ドル)
デジタル体験:13.8~14.0億ドル(予想:14.1億ドル)
デジタル体験サブスク:12.7~12.9億ドル(予想:12.9億ドル)
(25年度通期見通し)
・1株利益(調整後):20.20~20.50ドル(予想:20.52ドル)
・売上高:233.0~235.5億ドル(予想:237.8億ドル)
デジタルメディア:172.5~174.0億ドル(予想:176.5億ドル)
デジタル体験:58.0~59.0億ドル(予想:58.6億ドル)
デジタル体験サブスク:53.8~54.3億ドル(予想:53.8億ドル)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
株探ニュース