米国株式市場見通し:FOMC後のパウエル議長の発言に注目
来週の米国株は、17-18日に開催される今年最後のFOMCに関心が向かおう。市場では0.25%の利下げがコンセンサスとなっており、FOMCはほぼ無風通過となりそうだが、その後に行われる記者会見において、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が今後の利下げを示唆するかどうかに注目が集まっている。13日時点のフェデラル・ファンド(FF)の目標金利に基づくCME FedWatchでは、0.25%の利下げを予想する割合が9割超に達しており、0.25%の利下げは既に織り込み済み。
一方、4日に行われたインタビューにおいて、パウエル議長は「米国経済は極めて良好な状態にあり、金融政策の現状に極めて満足している」「失業率は依然として非常に低く、インフレを巡る状況も進展している」「FRBは、インフレを抑制しながらも労働市場を阻害しないよう、 政策がそれほど制約的でない中間的な立場を模索している」などと発言しており、今後の利下げ実施にはやや慎重な姿勢を示した。今回のFOMCでもこの姿勢を示す可能性があり、FOMC後は金利が上昇し、ハイテク株の上値が重くなるかもしれない。また、インタビューでは、トランプ次期大統領が掲げる関税政策に関して「不確定要素が多いため、対応政策は開始しない」といった発言にとどめたが、仮に関税政策に対する否定的な見解を示した場合、FRB議長交代懸念が高まり、リスク回避の株売りが強まる可能性もある。
引き続き楽観ムードは強いものの、史上最高値圏で推移する主要3指数はFOMC睨みの展開となり、週末までは方向感に乏しくなると想定する。
経済指標は、16日に12月NY連銀製造業景気指数、製造業PMI(速報値)、サービス業PMI(速報値)、コンポジットPMI(速報値)、17日に11月小売売上高、鉱工業生産指数、18日に第3四半期経常収支、11月住宅着工件数、週次原油在庫、FOMC政策金利、19日に週次新規失業保険申請件数、第3四半期実質GDP(確報値)、12月フィラデルフィア連銀景況指数、11月中古住宅販売件数、20日に11月個人消費所得・支出、11月PCEデフレータ、12月ミシガン大学消費者信頼感指数などが予定されている。
主要企業決算は、16日にオーシャンパワー、18日にゼネラル・ミルズ、マイクロン・テクノロジー、19日にアクセンチュア、ファクトセット・リサーチ、ベル、フェデックス、20日にウィニベーゴ、カーニバルなどが予定されている。
《FA》