伊藤智洋が読むマーケット・シナリオ【週間展望】 12月15日版

日経平均は今週の方向で年末の値位置が見えてくる

1.　ドル・円は円高の流れへ入っているなら、156.74円へ接近することなく上値を抑えられる公算

図1は、ドル・円相場の月足です。チャートでは2022年10月以降、上値、下値を切り上げるジグザグの動きを経過して、2024年9月以降、新たな円安の流れへ入っている可能性があります。

2024年7月の高値161.95円を超えると、その後は170円以上を目指す可能性が出てきます。

一方で、161.95円を当面の天井として推測する場合、現在は161.95円を中心にして2023年11月高値の151.9円、2024年11月高値の156.74円を左右の肩としたヘッド・アンド・ショルダーズ・トップを形成中という見方もできます。

こちらの展開になる場合、目先は156.74円へ接近することなく、上値を抑えられて円高の流れへ入ると考えられます。

ドル・円相場は、年の後半から年末へ向けて、そのときの材料で行けるところまで動き、年明け後、それまでの円高、円安の流れが終息して、年の前半が戻せば売られる（円安の流れの場合は買われる）展開になる傾向があります。

本年7月以降、日銀の政策転換による円高局面が始まっているなら、年末へ向けて9月の139.52円以下を目指す動きになって、現時点での円高の限界を模索する展開になると考えられます。

一方で、これまでの円安局面を今後も継続するなら、年末へ向けて161.95円を超える動きになる公算です。

どちらになるかは、18日の米連邦公開市場委員会（FOMC）、19日の日銀金融政策決定会合後の方向で明確になるはずです。

図1　ドル・円相場（月足）