この記事はプレミアム会員限定です

「隠れ上方修正&増配」探しで、3倍株ゲットの技

特集
2024年12月16日 10時33分

すご腕投資家さんに聞く「銘柄選び」の技 招き猫さんの場合-第1回

登場する銘柄
FPG<7148>、三井住友FG<8316>、東京海上<8766>

編集・構成/真弓重孝(株探編集部)、文・イラスト/福島由恵(ライター)

イラスト:福島由恵
■招き猫さん(ハンドルネーム・70代・男性)のプロフィール:
2007年、自分年金づくりを目的に株式投資を開始。定年退職し現在は、専業投資家。高配当重視でREIT(不動産投資信託)の比重を高め出した11年頃から運用成績が向上する。累積元本約9000万円が、現在2億1000万円にまで拡大。年間配当も800万円。成長期待のある高配当株を長期保有し、再投資するのが基本。
「株探-個人投資家大調査-2024」の回答者で、投資スタイルは「配当・株主優待重視」、日本株投資の腕前は「上級者」となる。

「本コラム」の記事一覧を見る

この記事を読む3つのポイント
1 高配当狙いと株価上昇狙いの「二兎追い」の戦略が分かる
2 大量の決算情報から、効率よく有望銘柄を探すノウハウが見つかる
3 未来にわたり永続的に業績を伸ばす企業を探すヒントになる

「今回の決算でも、上方修正と増配が発表されるはずだ」

億り人の招き猫さん(ハンドルネーム)が決算またぎをしながら期待していたのは、船舶やコンテナのリース事業を行うFPG<7148>だった。

この予想はピタリと的中、FPGは今年(2024年)10月31日に発表した24年9月期決算で、業績の上方着地と増配、そして自社株買いを公表した。これを好感し、翌11月1日の終値は前日比+12.0%に跳ね上がった。

実は、招き猫さんは、この決算に先んじて、信用取引で同社株を買い増していた。その時期は、今年8月初旬に襲った日銀ショックの暴落時だ。

招き猫さんは分散投資で1銘柄あたりのポジションを大きく膨らますことはしない主義のため、FPGについてもさらなる積み増しは考えていなかった。

だが、暴落でバーゲンセール状態になったため、「ここは買い増しに出るべき」と勝負に出たところ、買い増し分だけで約60%プラスの150万円のリターンをさらった。

このように、慎重さを保ちつつ勝負するときは勝負して億り人の座を射止めた招き猫さんの技を、2回に分けて見ていく。

初回は、なぜ、将来、上方修正や増配をする「隠れ上方修正」「隠れ増配」銘柄を決算前に見つけることができたのか、その技にフォーカスする。

■『株探プレミアム』で確認できるFPGの日足チャートと決算日(24年5月中旬~)

【タイトル】

【訂正】当初のチャートに誤りがありました。現在は修正済みです。

配当と売買益の二重取りを重視

FPGは、直近の通期決算で大きく株価が跳ねたものの、足元の配当利回りは4.6%前後の水準で依然として高い。招き猫さんは、FPGのように高配当株に長期投資することを中核としている。

だが、いくら高配当でも、株価が下がって含み損が広がるようでは意味がない。

招き猫さんは、配当のインカムゲインに加え、株価上昇によるキャピタルゲインの二兎を追うのを目的とし、将来的に業績が伸び、増配が期待できる、隠れ上方修正&増配期待の銘柄を買いの対象とする。

足元の配当利回りの水準には、とらわれない。今後増配で、配当利回りの水準向上に期待が持てる銘柄を決算前に仕込む、のが招き猫流だ。

■『株探プレミアム』で確認できるFPGの業績修正履歴

【タイトル】

決算前のバーゲンセールを好機と見る

今年(24年)8月の日銀ショックに追加で拾ったFPGは、日経平均株価が前日比▲12.4%の大暴落となった日の、翌日8月6日に買いを入れた。

当時は、招き猫さんの運用資産もピーク時の2億3000万円から1億8000万円にまで大幅に削られ、本人のメンタルもかなり凹んだ時期だ。市場心理も冷え込む中で買い向かっていけたのは、「必ず株価は戻す」という確信があったからだ。

招き猫さんは、3カ月後に控える通期決算は、業績上振れ着地と増配がなされることを予想していた。そのため、全体相場に連れ安し、7月末からわずか3営業日で約35%も下げたFPGは、まさにバーゲンセールのように映ったのだ。

「自信があったのだから、もっと強気買いすべきだった」と、本人は儲かりながらも微妙な心持ちだ。だが、予想が当たったことは成果となった。

FPGは23年2Q決算で注目

暴落時に買い向かえたのは、「心の余裕」も作用した。FPGは1年前から買っており、すでに含み益が乗って配当も得ている状況だった。

もともと、招き猫さんが同銘柄に注目したのは、23年4月末。この時期に発表された23年9月第2四半期(2Q)の決算がきっかけだ。

本人は同決算から、FPGは「隠れ上方修正&増配銘柄」だと判断、翌5月に買い出動した。この買いは、同7月末に発表される予定の同3Q決算を先回りしたものだった。

この読みは的中、FPGは同3Q決算の直前に、上方修正と増配を発表する。この上昇をエンジンに、招き猫さんがFPGを買って以降の株価は、これまでに3倍近くの上昇を遂げている。

この上昇をさらったのは、同意づく前に「隠れお宝銘柄だ」と判断したからだ。その着眼点とは?

■『株探プレミアム』で確認できるFPGの3カ月決算ごとの成長性推移

【タイトル】

※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。

次ページ FPGを隠れお宝銘柄と判断したきっかけとは

<    >

こちらは株探プレミアム限定記事です。プレミアムプランをご契約して読むことができます。
株探プレミアムに申し込む (初回無料体験付き) プレミアム会員の方はこちらからログイン
プレミアム会員になると...
株価情報をリアルタイムで提供
企業業績の表示期数を拡大
限定コラムが読み放題

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

プレミアム会員限定コラム

お勧めコラム・特集

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
株探プレミアムとは

日本株

米国株

PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.