スマートバリュー:業態転換が収益獲得局面へ、「スマートシティ」など社会基盤を担う

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2024年12月18日 11時04分

スマートバリュー<9417>の歴史は業態転換の歴史であるが、2030年へ向けた事業の軸が固まり、収益獲得局面に入りつつある。

スマートバリューは創業から96年の時間軸の中で、昭和の自動車電装修理工場から30年かけて業態を転換。それを支えてきた携帯電話販売事業も同じく30年の歩みを2020年終了している。売上の半分を占めていた携帯電話販売代理店事業の売却から、ポートフォリオの入替を推進、2020年6月期以降、営業損益の赤字を計上し続けた。

現状の事業セグメントは(1)デジタルガバメント事業(2025年6月期の第1四半期に占める売上高の割合は47.5%)、(2)モビリティ・サービス事業(同33.7%)、(3)スマートベニュー事業(同18.8%)。

デジタルガバメント事業は2005年に自治体向けクラウドサービスをスタートしたことが始まりであり、自治体専用CMS、オンライン手続サービス、データ連携・解析、ソフトウェア開発をてがけている。モビリティ・サービス事業は2008年にIoT・モビリティ向けテレマティクスサービスをスタートしたことが始まりであり、社用車運行管理、モビリティIoTプラットフォーム、カーシェアプラットフォーム、IoT/ソフトウェア開発を展開。

新規で立ち上がってくるのがスタジアムアリーナ運営、アリーナICTソリューション、プロスポーツクラブ運営、賑わい創出イベント、まちのマーケティングをてがけているスマートベニュー事業。神戸市からの土地賃貸借を受けたNTT都市開発がジーライオンアリーナ神戸(アリーナ)を保有、スマートバリューが出資するアリーナ運営会社と、同様に出資企業であるプロバスケットボールチームの神戸ストークスが一体運営される。スタジアムアリーナなどのべニューを核として、賑わい創出やデータ利活用などを包含して進めるまちづくりの戦略を進めることになる。当該事業が結実したのは、自治体との関係、過去における携帯電話販売事業におけるNTTグループとの関係、プロバスケットボールチームの保有などが理由として挙げられる。

今後、スマートバリューではデジタルガバメントおよびモビリティ・サービスにおけるクラウドサービスによる月次経常収益(MRR)積み上げに加え、アリーナ事業の安定的な貸館事業収益をベースとして足元の収益を獲得し、「行政デジタル化」「行政オンラインサービス」「マイナンバー連携」「MaaS」「アリーナICT」「スマートシティ」など、21世紀の社会基盤を担える事業体を目指し、全ての事業がつながりつつある。

2027年6月期を最終年度とする中期経営計画では、売上高で9,099百万円、営業利益で846百万円が目標に掲げられている。けん引役は2026年6月期から収益が本格化するスマートベニュー事業(2024年6月期実績:売上高641百万円、営業利益▲271百万円→2025年6月期予想:売上高2,235百万円、営業利益6百万円、2026年6月期予想:売上高4,686百万円、営業利益466百万円、2027年6月期予想:売上高5,039百万円、営業利益608百万円)。1万人を収容できるアリーナは、関西圏では大阪城ホール以外になく、立地的な優位性が生かされることになる。デジタルガバメント事業、モビリティ・サービス事業は着実にストック収益を積み上げる。デジタルガバメント事業では2024年6月期実績:売上高1,711百万円、営業利益245百万円を2027年6月期予想:売上高2,532百万円、営業利益484百万円、モビリティ・サービス事業では2024年6月期実績:売上高1,462百万円、営業利益193百万円を2027年6月期予想:売上高1,527百万円、営業利益284百万円を目指す。

《NH》

提供:フィスコ

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