話題株ピックアップ【夕刊】(1):サイボウズ、三井E&S、アストロHD

注目
2024年12月20日 15時42分

■サイボウズ <4776>  2,644円  +500 円 (+23.3%) ストップ高   本日終値  東証プライム 上昇率トップ

サイボウズ<4776>がストップ高。19日の取引終了後、24年12月期の期末一括配当予想を15円から未定に修正した。業績の進捗や次期業績の見通しなどを踏まえて増額を検討しているとしており、これを好材料視する買いが流入した。同時に、25年12月期の業績予想を発表し、売上高360億400万円(24年12月期予想295億4500万円)、営業利益84億3700万円(同41億1700万円)、純利益59億400万円(同29億9500万円)を見込むとしたことも好感されている。クラウドサービスの契約社数が6万6000社を超える見通しのほか、価格体系改定などが貢献。人件費や広告宣伝費、データセンター運用・保守費用などが増加するものの、これらを吸収し増収増益を予定している。

■日本リーテック <1938>  1,266円  +139 円 (+12.3%)  本日終値  東証プライム 上昇率5位

日本リーテック<1938>が続急騰。19日の取引終了後、25年3月期の配当予想を期末一括36円から60円に増額修正したことが好感された。なお、前期実績は35円だった。

■三井E&S <7003>  1,724円  +120 円 (+7.5%)  本日終値  東証プライム 上昇率8位

三井E&S<7003>が急反発。19日の取引終了後、日本経済新聞電子版が「三井E&Sはベトナムで港湾クレーンの製造に乗り出す」と報じた。中期的な収益押し上げ効果を期待した買いが入ったようだ。記事によると、中国からの生産移転先として有望な東南アジアで進む港湾整備や、中国製クレーンを避ける動きがあるなか、世界的にクレーン需要が高まっており、三井E&Sは海外で生産能力を確保して脱中国需要を取り込む方針。同社は港湾クレーンの製造を大分工場で担っていたが、ベトナムでの現地生産を始めることで受注余力を確保するとしている。

■ヤマト <1967>  1,300円  +85 円 (+7.0%)  本日終値

ヤマト<1967>が後場終盤に急伸。午後3時ごろ、25年3月20日時点の株主から株主優待制度を導入すると発表したことが好感された。毎年3月20日時点で1単元(100株)以上保有し、かつ1年以上保有する株主を対象に保有株数に応じて子会社ロードステーション前橋上武が運営する道の駅「まえばし赤城」で取り扱う地元特産品(3000円または5000円相当)か、同道の駅温浴施設「赤城の湯」入浴券(5枚または10枚)、自然保護団体への寄付のいずれか一つを選べるようにする。なお、25年3月20日時点の株主には初回に限り保有期間にかかわらず優待を実施するとしている。

■アストロHD <186A>  840円  +53 円 (+6.7%)  本日終値

アストロスケールホールディングス<186A>が大幅高で3日続伸。この日の寄り前、英国子会社が政府機関の科学・イノベーション・技術省(DSIT)から調査契約を受注したと発表しており、好材料視された。受注した共同プロジェクトは、新興のランデブ・近傍運用(RPO)技術とその意義について規制当局の理解を促し、現行の法規制の枠組みにおけるライセンス付与の課題を解決することを目的としたもので、受注金額は約1億3000万円。契約期間は25年3月末までで、25年4月期業績予想の前提に含めていないものの、連結業績予想に与える影響は軽微としている。

■コメ兵ホールディングス <2780>  3,890円  +185 円 (+5.0%)  本日終値

コメ兵ホールディングス<2780>が後場に一段高。この日、11月度の月次売上高を公表。堅調な業況を評価した買いが入ったようだ。コメ兵以外の事業会社を含むブランド・ファッション事業の売上高は133億8400万円だった。同社は今期に入ってから同事業の月次業績を開示しており、発表資料に前年同月比の増減率の記載はないが、売上高は4月度以降の単月では最高となった。法人販売を強化することで、売上高は順調に推移したとしている。

■ゴールドクレスト <8871>  3,350円  +150 円 (+4.7%)  本日終値

ゴールドクレスト<8871>が反発。19日の取引終了後に関東財務局に提出された変更報告書で、投資会社のストラテジックキャピタル(東京都渋谷区)の保有割合が12.04%から13.10%に上昇したことが判明しており、買い増しを思惑視する買いが入ったようだ。なお、保有目的は純投資及び状況に応じて重要提案行為などを行うこととしており、報告義務発生日は12月12日。

■前田工繊 <7821>  1,921円  +80 円 (+4.4%)  本日終値

前田工繊<7821>は大幅続伸で新高値。19日の取引終了後、遊具などの企画から製造・設置工事までを手掛ける犀工房(滋賀県大津市)の全株式を取得し子会社化したと発表しており、好材料視された。今回の子会社化により、前田工繊のソーシャルインフラ事業における景観資材分野に「遊具」という新たな製品と幼稚園・保育園向けの新たな販売ルートを獲得することが可能となるほか、犀工房の遊具などに関する知見・技術と前田工繊グループの素材・技術を「混ぜる」ことで新たな製品を生み出し、更なる成長を目指すことも可能になるとしている。取得価額は非開示。25年6月期業績への影響は軽微としている。

■三菱地所 <8802>  2,145.5円  +84.5 円 (+4.1%)  本日終値

三菱地所<8802>が急伸。三井不動産<8801>や住友不動産<8830>が株価水準を大きく切り上げており、東証の業種別指数で不動産業が上昇率上位に入った。日銀は19日まで開いた金融政策決定会合で、金融政策の現状維持を決定した。同日の取引終了後に開かれた記者会見で、植田和男総裁は利上げの判断を巡り、「もうワンノッチほしい」と発言。金融市場は植田総裁が利上げに消極的な姿勢を示したと受け止めた。春闘や賃金動向に関する総裁発言から、来年1月の利上げの実現性について懐疑的な見方も出ている。これらを背景に、金利上昇が事業環境にマイナスとなる不動産株を物色する流れが強まったようだ。

■アンリツ <6754>  1,310.5円  +43.5 円 (+3.4%)  本日終値

アンリツ<6754>が4日続伸。同社はきょう、eロボティクス(福島県南相馬市)が開発した上空の電波環境を測定するシステムに、自社のスペクトラムモニタモジュール「MS27100A」が採用されたことを明らかにしており、これが買い手掛かりとなったようだ。同社は今後も、ドローンの有人地帯における安全な目視外飛行(航空法で定めるレベル4飛行)の実現と発展のため、電波環境の評価やドローンの型式認証をサポートするとしている。

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