利益成長“青天井”銘柄リスト【総集編】第2弾 25社選出 <成長株特集>

特集
2024年12月22日 19時30分

本特集では、10月下旬から11月中旬までの決算集中期間に配信した「利益成長“青天井"銘柄リスト」を、“全期間”を対象に再構成した総集編をお届けします。

今回は19日に配信した総集編 第1弾(時価総額700億円以上)に続き、19日時点の時価総額が350億円以上700億円未満の銘柄を対象に、24年7-9月期に四半期ベースの過去最高益を更新し、かつ今期も最高益を見込む、いわゆる利益が“青天井”状況になっている銘柄をリストアップした。

下表では、本決算月にかかわらず、24年7-9月期に経常利益が全四半期ベースの過去最高益を更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も最高益見通しを示している25社を選び出し、7-9月期実績の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。

上振れ率トップとなったのは、調剤薬局向けシステム大手のイーエムシステムズ <4820> [東証P]。24年7-9月期(第3四半期)は医療DXの普及を背景に、チェーン薬局を中心に電子処方箋と関連オプションソフトの導入設置が加速したほか、これまで実施したM&Aでグループ入りした企業の業績貢献も寄与し、経常利益は21.7億円と過去最高益を2.0倍も上回って着地。業績好調に伴い、24年12月期通期の同利益を7期ぶり最高益見通しに上方修正し、配当も従来計画の16円→29円(前期は14円)に大幅増額修正した。発表を受けて株価は急騰し、約1年4ヵ月ぶりの高値圏で頑強な動きを続けている。

2位のヤマシンフィルタ <6240> [東証P]は主力の建設機械用フィルタが交換需要の増加を背景に、北米を中心に補給品の販売が伸びたほか、主要原材料価格やエネルギーコスト高騰への対応策として、販売価格の引き上げや原価低減を進めたことも寄与し、7-9月期(第2四半期)は2四半期連続で過去最高益を達成した。業績好調に伴い、25年3月期通期の経常利益予想を14期ぶりの最高益見通しに大幅上方修正するとともに、配当計画も増額修正した。株価は21年11月以来の高値圏を走る展開となっている。

3位にリスト入りしたネットプロテクションズホールディングス <7383> [東証P]の7-9月期(第2四半期)は、後払い決済サービス「NP後払い」で7月に加算を開始した延滞事務手数料の徴収が進んだことに加え、未払いコントロールや請求業務の改善による原価抑制も利益拡大につながった。好調な業績を踏まえ、25年3月期通期の税引き前利益を大幅に上方修正し、従来の4期ぶりの過去最高益予想をさらに上乗せした。株価は約1年7ヵ月ぶりの高値水準に急浮上している。

4位にはスマートフォン向け携帯充電器のレンタルサービス「チャージスポット」を提供するINFORICH <9338> [東証G]が入った。7-9月期(第3四半期)はモバイルバッテリーシェアリングサービスに対するニーズが高まる中、充電スタンドの利用者やレンタル数が増加したうえ、料金改定による国内レンタルの単価上昇も寄与し、売上高、経常利益ともに2四半期連続で過去最高を達成した。

6位に入ったアズーム <3496> [東証G]の7-9月期(第4四半期)は、主力の駐車場サブリースサービスで大手法人から数百台規模の大規模受託案件を獲得したほか、レンタルスペースの予約管理システム「スマート空間予約」で個別カスタマイズ依頼によるシステム受託開発案件を複数受注し、売上高、経常利益ともに過去最高を達成した。続く25年9月期の経常利益は前期比36.3%増の24.9億円と6期連続の最高益更新を見込み、配当は前期比15円増の40円に大幅増配する方針を示している。

7位のゼロ <9028> [東証S]は国内の新車販売台数、中古車登録・販売台数がともに増加する中、2024年問題対策に伴う輸送戦力確保が奏功し、車両の輸送受託台数が増えた。また、新車・中古車の輸送料金引き上げに加え、昨年11月に子会社化したソウイングの業績上積みなども寄与し、7-9月期(第1四半期)の税引き前利益は27.1億円と前年同期比2.4倍に膨らんだ。株価は11月8日に上場来高値2780円まで上値を伸ばす場面があった。

9位にリストアップされたLAホールディングス <2986> [東証G]の7-9月期(第3四半期)は土地企画販売で大型案件の売却が完了したことに加え、リノベーションマンションの販売が引き続き好調に推移し、経常利益は前年同期比5.4倍の32億円と四半期ベースの過去最高益を更新した。業績好調に伴い、最高益見通しだった24年12月期通期の同利益予想をさらに上乗せし、期末一括配当も290円(前期は211円)に増額修正した。これを受けて、株価は新規上場した06年6月以来、約18年半ぶりの高値圏に浮上している。

16位にリスト入りしたのは荷物用エレベーター大手の守谷輸送機工業 <6226> [東証S]。7-9月期(第2四半期)は原価増加に伴う価格転嫁が浸透したうえ、重点注力分野である保守・修理案件の受注が大きく伸び、2四半期ぶりに過去最高益を更新した。決算発表前に最高益予想だった25年3月期通期の経常利益をさらに上乗せするとともに、配当も大幅増額修正した。データセンターや半導体工場の建設ラッシュが追い風になるとの期待も強く、株価は青空圏を舞う展開となっている。

┌─ 四半期 経常利益 ─┐ ┌── 通期 経常利益 ──┐ 予想

コード 銘柄名     上振れ率 7-9月期 過去最高 上振れ率 今期予想 過去最高  PER

<4820> EMシステム    101  2175   1084   24.4   4501   3618 27.8

<6240> ヤマシン―F   56.7   876   559    9.0   2280   2091 30.8

<7383> ネットプロ    52.1   575   378   83.7   1604   873 47.1 *

<9338> インフォR    33.2   493   370    139   1515   633 25.3

<3660> アイスタイル   32.8   839   632   11.8   2400   2147 22.9

<3496> アズーム     25.3   574   458   36.3   2490   1827 25.2

<9028> ゼロ       24.9  2715   2174   30.1   8100   6227  7.8 *

<3661> エムアップ    24.5  1098   882   36.0   3900   2867 28.2

<2986> LAホールデ   24.1  3209   2585   31.6   6500   4941  8.2

<6638> ミマキエンジ   21.4  2369   1952   53.6   7500   4882  8.1

<4417> Gセキュリ    20.3   409   340   43.8   1588   1104 33.8

<9828> ゲンキGDC   14.1  2118   1857   26.0   6400   5081 14.9

<4481> ベース       9.3  1400   1281   20.2   5642   4692 13.8

<6272> レオン       9.1  1648   1511    9.3   5450   4987 10.2

<3034> クオールHD    7.7  3254   3022   50.5  15200  10098 10.5

<6226> 守谷輸送機     7.5   956   889   42.6   3750   2629 18.7

<3482> ロードスター    7.4  4207   3917   40.7  10490   7456  6.0

<4828> ビーエンジ     5.4  1247   1183   10.9   4300   3877 14.9

<2705> 大戸屋HD     5.4   551   523    0.5   1708   1699 27.6

<7130> ヤマエGHD    4.9  4805   4579   22.0  18000  14757  5.8

<7715> 長野計器      4.7  2158   2062    2.8   7600   7390  8.6

<9416> ビジョン      4.1  1617   1553   32.3   5738   4337 16.5

<3687> Fスターズ     3.9   747   719   12.8   2600   2305 30.6

<4462> 石原ケミ      3.8   909   876   23.3   3100   2514 15.6

<3371> ソフトクリエ    2.3  1531   1497    6.1   5680   5355 16.6

※ 2023年9月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した2003年4-6月期以降の業績に基づいたものです。

※過去最高益は同一会計基準内が対象。「*」は国際会計基準または米国会計基準を採用する銘柄。

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