株価指数先物【寄り前】 25日線水準での攻防

市況
2024年12月23日 7時57分

大阪3月限ナイトセッション

日経225先物 38880 +170 (+0.43%)

TOPIX先物 2712.5 +10.5 (+0.38%)

シカゴ日経平均先物 38885 +175

(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

20日の米国市場は、NYダウ S&P500ナスダックの主要な株価指数が上昇。11月の米個人消費支出(PCE)物価指数は前年同月比で2.4%上昇し、市場予想の2.5%を下回った。PCEコア価格指数も予想を下回る結果だったことから、米連邦準備理事会(FRB)の2025年の利下げペースが鈍化するとの懸念が後退した。

NYダウ構成銘柄ではエヌビディア<NVDA>の上昇率が3%を超えたほか、アップル<AAPL>、セールスフォース<CRM>、シスコシステムズ<CSCO>、ゴールドマン・サックス<GS>、JPモルガン・チェース<JPM>、アメックス<AXP>が堅調。一方でメルク<MRK>、ウォルマート<WMT>、マイクロソフト<MSFT>、IBM<IBM>が安かった。S&P業種別指数は半導体・同製造装置、銀行、テクノロジー・ハード・機器が上昇した半面、自動車・同部品、家庭用品・パーソナル用品、食品・生活必需品小売が下落。

シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比175円高の3万8885円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比10円高の3万8720円で始まり、その後はショート優勢となり、3万8340円まで売られた。売り一巡後は下落幅を縮め、米国市場の取引開始時にはプラス圏を回復。中盤にかけて上げ幅を広げており、一時3万9160円まで買われる場面もみられた。終盤にかけて持ち高調整により軟化したが、3万8880円とプラス圏でナイトセッションの取引を終えた。

日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや買い先行で始まることが見込まれる。NYダウは自律反発の域は脱していないが、大幅続伸で75日移動平均線を上回る場面もみられた。エヌビディアが買われたほか、半導体SOX指数は4日ぶりに反発しており、指数インパクトの大きい値がさ株の支援材料になりそうだ。

日経225先物はナイトセッションで一時3万8340円まで売られ、75日・200日線(3万8460円水準)を割り込み、19日につけた3万8210円に接近する場面もみられた。その後の切り返しで25日線(3万8900円)水準を捉えており、ボトム形成は見極めにくいところであるが、同線を明確に上放れてくるようだと、ショートカバーを誘う流れに向かいやすいだろう。

また、米政府が予算執行を続けるための「つなぎ予算」の期限が20日夜に迫っていたが、バイデン米大統領は21日未明、3月中旬までのつなぎ予算案に署名した。これにより政府機関の閉鎖は回避される運びとなり、センチメントの改善につながりそうだ。

もっとも、米連邦公開市場委員会(FOMC)を通過したことで、多くの海外投資家はクリスマス休暇に入ったとみられる。主要国市場はクリスマスで休場を挟むこともあり、市場参加者が限られ明確なトレンドが出にくい半面、短期トレードによって一時的に大きく振らされやすい需給状況になる。

そのため、オプション権利行使価格の3万8500円から3万9000円のレンジを想定。25日線を上回っての底堅さがみられる局面では、3万8875円から3万9375円辺りのレンジを想定する。ロシアがウクライナの首都キーウをミサイルで攻撃したことで地政学リスクが重荷となる可能性はあるが、押し目狙いのロング対応に向かわせよう。

20日の米VIX指数は18.36(前日は24.09)に低下した。先週はFOMCの結果判明後に一時28.32まで急伸をみせ、ボリンジャーバンドの+3σを大きく上回ったことで修正の動きであろう。20日の下げで+2σ、+1σを下回り、一時17.82まで下げて75日線(17.37)に接近する場面もみられた。75日線を割り込んでくると、リスク選好からショートカバーを意識したセンチメントに向かわせそうだ。

先週末のNT倍率は先物中心限月で14.32倍と前日から横ばいだった。17日に14.44倍まで上昇したが、FOMC後には一時14.26倍まで低下する場面もみられていた。ただし、同水準に位置する200日線が支持線として機能する形から切り返し、前日の終値水準まで戻していた。本日は指数インパクトの大きい値がさ株が日経平均型を牽引する形で、ややNTロングでのスプレッド狙いを想定しておきたい。

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