話題株ピックアップ【夕刊】(2):愛知鋼、トラースOP、サイステップ
■愛知製鋼 <5482> 5,030円 +20 円 (+0.4%) 本日終値
愛知製鋼<5482>がしっかり。同社は25日、投資有価証券売却益を特別利益として計上することとなったと発表。株価の支援材料となったようだ。24日付で投資有価証券の一部を売却した。売却額は52億3100万円。政策保有株式の縮減により資本効率を高める。同社は国際会計基準(IFRS)を導入しており、連結決算において当期利益への影響はないとしている。
■Lドリンク <2585> 2,194円 -58 円 (-2.6%) 本日終値
ライフドリンク カンパニー<2585>が冴えない。同社は24日の取引終了後、御殿場工場において飲料製造ラインを増設すると発表した。投資額は60億円で、借入金及び自己資金を充当する予定。27年3月期下期の稼働を計画し、更なる生産数量の拡大を目的とする。もっとも同社株に対し中期的な業績拡大を見込んで買い向かう姿勢は限られ、利益確定目的の売りに押されたようだ。
■第一三共 <4568> 4,336円 -60 円 (-1.4%) 本日終値
第一三共<4568>は軟調。24日、肺がん治療薬として欧州医薬品庁(EMA)に提出していた「ダトポタマブ デルクステカン」の販売承認申請を自主的に取り下げたと発表。これを嫌気した売りが出たようだ。EMAの医薬品委員会との協議に基づいて取り下げを行った。乳がん治療薬としての販売承認申請について、引き続きEMAと協議を進めていく。
■イオンFS <8570> 1,259.5円 -4.5 円 (-0.4%) 本日終値
イオンフィナンシャルサービス<8570>が軟調推移。25日付の日本経済新聞朝刊が、「金融庁はイオン銀行に対し、マネーロンダリング(資金洗浄)対策に不備があるとして銀行法に基づく業務改善命令を近く出す方針を固めた」と報じた。イオン銀行を傘下に持つイオンフィナンシャルサービス<8570>に対し、売りを促す要因となったようだ。報道によると、金融庁が求めていたリスク管理態勢の構築が不十分で、経営陣が関与するガバナンス(企業統治)にも課題があったもようという。マネロンに預金口座などが悪用された事例は明らかになっていないとも伝えている。イオン銀行は25日、今後、開示すべき事項が判明した場合には、速やかに公表するとのコメントを開示した。
■トラースOP <6696> 410円 +80 円 (+24.2%) ストップ高 本日終値
トラース・オン・プロダクト<6696>がストップ高。同社は24日の取引終了後、AI電力削減ソリューション「AIrux8」を大手老舗百貨店の本社ビルに導入し、空調電力の25%を削減することに成功したと発表。これを受け、導入エリアの拡大が決定したという。発表を材料視した買いが入ったようだ。今年3月に一部エリアへの導入完了後、実証運用を進めた結果、電力使用量の削減と快適性の確保を実現した。本件による売上高の影響は、通期の売上金額の3%程度に相当する額となる見通し。導入エリアの拡大が進んだ場合、26年1月期以降の中長期的な業績向上につながる見込みとしている。
■サイバーステップ <3810> 283円 +53 円 (+23.0%) 本日終値
サイバーステップ<3810>は動意。この日、2025年から暗号資産関連事業を本格的に強化し、国内外で新市場の開拓を目指すと発表した。同事業を新たな成長の柱の1つと位置づけ、ブロックチェーンゲームの実現やフィジカル商品とNFTの融合などに取り組んでいく。これが材料視された。
■GMOアドパートナーズ <4784> 961円 +150 円 (+18.5%) ストップ高 本日終値
GMOアドパートナーズ<4784>がストップ高。東京証券取引所は24日の取引終了後、GMO-APの株式について、2025年1月1日付でスタンダード市場からプライム市場への区分変更を行うと発表した。東証プライムへの市場変更に伴って、指数連動型ファンドの資金の流入による株高効果への期待が膨らみ、買いが入ったようだ。
■ゼネラル・オイスター <3224> 683円 +100 円 (+17.2%) ストップ高 本日終値
ゼネラル・オイスター<3224>が急伸。同社は24日の取引終了後、25年3月期において初配当10円を実施すると発表した。また、今後は連結配当性向30%を基準としつつ、短期的に利益変動の大きな局面があった場合においても10円を目安として配当を行う方針を示した。株主還元姿勢を好感した買いが入ったようだ。資本金の減少を通じて配当原資を利益剰余金とするか、潤沢な資本剰余金とするかについては現時点では決定していない。業績が好調に推移していることから、配当予想とした10円よりも増額が見込まれる状況にはあるものの、決算確定前で具体的な金額の明示は困難とし、配当予想に変更があった場合には速やかに開示するとした。同社は今年9月末時点で利益剰余金がマイナスとなっている。あわせて同社は阪和興業<8078>との資本・業務提携の解消についても開示した。水産加工などの協力関係の強化が狙いだったが、想定していた相乗効果を生み出すことができなかったという。阪和興が保有するGオイスター株11万2000株(自己株式を除く発行済み株式総数の2.78%)については、市場外の相対取引で石原一樹弁護士に売却する予定。資本提携に伴う新株発行で当時調達した資金のうち、未充当分の2億2900万円に関しては、新規出店や大槌工場の増産対応費用に活用する方針。
■EAJ <6063> 692円 +100 円 (+16.9%) ストップ高 本日終値
日本エマージェンシーアシスタンス<6063>が後場急騰。午後3時ごろ、24年12月末時点の株主から株主優待制度を新設すると発表したことが好感された。毎年12月31日時点で3単元(300株)以上を1年以上保有する株主を対象に、一律でQUOカード5000円分を贈呈する。なお、24年12月31日時点で300株以上を保有する株主に対しては、初回限定で保有期間にかかわらず株主優待を実施するとしている。
■エフテック <7212> 595円 +65 円 (+12.3%) 本日終値
エフテック<7212>が物色人気。サスペンションやサブフレームなど足回り部品を主力とするホンダ系の自動車部品会社で、業績好調が際立っている。本業のもうけを示す営業利益は23年3月期、24年3月期と2期連続で8割前後の大幅増益を達成し、25年3月期も前期比27%増益を見込む。年間配当は20円を計画し時価予想配当利回りは3.5%前後と高い。注目すべきはPBRで0.2倍程度と会社解散価値の5分の1の水準にある。筆頭株主のホンダ<7267>が日産自動車<7201>との経営統合に向けた動きを進めるなか、業界再編や企業買収に絡む思惑がグループ企業も含め錯綜しており、業績高変化にもかかわらず株価がイレギュラーな超割安圏に放置されているエフテックは、見直し買い対象として急浮上してきた。
株探ニュース