ユーロ週間見通し:もみ合いか、日銀利上げ後退で円買い拡大の可能性低い
■下げ渋り、ECBによる利下げペース加速の可能性低い
今週のユーロ・ドルは下げ渋り。米長期金利の上昇やドイツの政治不安を意識してリスク回避のユーロ売り・米ドル買いが強まる場面があったが、欧州中央銀行(ECB)は利下げペースを加速させる計画はないとの見方が強まり、リスク回避的なユーロ売り・米ドル買いは一服した。取引レンジ:1.0382ドル-1.0445ドル。
■弱含みか、米ハト派姿勢後退でドル買い縮小の可能性低い
来週・再来週のユーロ・ドルは弱含みか。ユーロ圏12月消費者物価指数や11月小売売上高など経済指標が注目されそうだ。インフレ率が予想を上回り、小売売上高が市場予想を下回った場合はユーロ売り材料となる。一方、米連邦準備制度理事会(FRB)は1月の利下げを見送る可能性が高いため、ユーロ売り・米ドル買いが大幅に縮小する可能性は低いとみられる。
予想レンジ:1.0200ドル-1.0500ドル
■強含み、日欧金利差の縮小観測は後退
今週のユーロ・円は強含み。欧州中央銀行(ECB)による利下げ継続が想定されているものの、日本銀行は追加利上げを急がない方針を維持しており、日欧金利差の縮小観測は後退。週後半はリスク選好的なユーロ買い・円売りが優勢となり、一時164円台後半まで上昇した。取引レンジ:162円84銭-164円82銭。
■もみ合いか、日銀利上げ後退で円買い拡大の可能性低い
来週・再来週のユーロ・円はもみ合いか。1月7日発表のユーロ圏12月消費者物価指数でインフレ緩和が確認された場合、リスク回避のユーロ売り・円買いが強まる可能性がある。ドイツの政局不安もユーロ売りを後押ししそうだ。ただし、日本銀行による追加利上げは来年春ごろに遠のき、リスク回避的なユーロ売り・円買いがただちに拡大する可能性は低いとみられる。
○発表予定のユーロ圏主要経済指標・注目イベント
・1月7日:12月消費者物価指数
・1月7日:11月失業率
予想レンジ:162円00銭-166円00銭
《FA》