Sapeet:ウェルネス領域で顧客基盤広げるAI関連銘柄、今後も売上高の40%成長を目指す

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2024年12月30日 12時53分

Sapeet<269A>は、Expert AIを活用したAIプロダクト及びAIソリューションの提供を行う。Expert AI事業の単一セグメントで、AIソリューション(24年9月期売上高に対して45.6%)とAIプロダクト(同54.4%)の2軸を展開。Expert AI事業は、従来のAIが「ノンコア業務を代替し業務効率化を図る」ことに対して、「AIで各領域の専門家ナレッジを再現・サポートし、コア業務の価値をさらに増幅・拡張する」ものと同社では定義している。同社の強みとする技術分野は、AI及び3Dに関するものがある。AIに関する技術分野としては、主に画像認識、自然言語処理、機械学習/深層学習が中心で、AIソリューションにおいて2024年9月期における上位10プロジェクトの平均受注単価は1,800万円(前期比700万円増)、継続率は90.0%(同4.3pt増)と順調に推移している。

AIプロダクトでは現在、「シセイカルテ」「マルチカルテ」「カルティチャット」「カルティセールス」を展開しており、そのうち「シセイカルテ」の売上高・アカウントがAIプロダクト全体の8割程度を占めている。総アカウント数は2024年9月末3,465アカウント(前期末比750アカウント増)、解約率は2024年9月期0.63%(前期比0.71pt減)となっている。2023年9月期の相手先別売上高比率は、大株主のPKSHA向けが12.9%となっている。

2024年9月期の売上高は前期比50.8%増の634百万円、営業損益が19百万円の赤字(前年同期は147百万円の赤字)で着地した。AIソリューションにおける既存プロジェクトの進捗やコミュニケーションアルゴリズムを中心とした新規プロジェクト獲得、AIプロダクトにおけるメインプロダクトである「シセイカルテ」「マルチカルテ」のアカウント数の増加等が寄与した。営業利益については、広告宣伝費や採用教育費といった一定額のボラティリティがある費用により上下するものの、4Qにおいて四半期黒字化を達成した。2025年9月期の売上高は前期比45.5%増の924百万円、営業利益が80百万円の黒字を見込んでいる。

同社は今後、AIソリューション・AIプロダクト、プラットフォーム等の好循環により、非連続な成長を実現させ、ストック型の売上を積み上げで収益基盤の安定化・投資資金の確保も図っていく。接骨院、フィットネス、医療機関などの幅広いウェルネス顧客基盤(54%)に加えて、ITや小売りなども多様な基盤を持ち、業界依存度が低く幅広い領域のナレッジ・ノウハウが獲得できている。ただ、顧客規模・プロジェクト予算・利用開始までの期間等、幅広い顧客ニーズに応えられるためアクセスできる市場は広く、国内AI市場・DX市場の拡大とともに顧客基盤は安定して増加させることができそうだ。また、AIソリューションにおける約47%が生成AIに関する案件で、足元の引き合いの状況から今後も生成AI案件の割合は上昇することを想定しているようだ。AIプロダクトも販売パートナーと協業しながら海外展開を見据えており、AIソリューション・AIプロダクト両輪での成長が期待できる。中長期的な成長原資となるような人材投資や開発投資を継続しながらも、トップラインは40%以上の高い成長を目指しており、直近IPO銘柄かつAI関連銘柄として今後の成長に注目しておきたい。

《NH》

提供:フィスコ

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