株価指数先物【寄り前】 +1σ水準での攻防から+2σを意識させる

市況
2025年1月7日 7時59分

大阪3月限ナイトセッション

日経225先物 39670 +330 (+0.83%)

TOPIX先物 2774.5 +14.5 (+0.52%)

シカゴ日経平均先物 39675 +335

(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

6日の米国市場は、NYダウが下落した一方で、 S&P500ナスダックは上昇。台湾の鴻海精密工業が発表した2024年10-12月期の売上高(速報値)は、人工知能(AI)向けのサーバーが寄与し過去最高となった。これが材料視され、エヌビディア<NVDA>が一時5%を超す上昇となったほか、マイクロン・テクノロジー<MU>やアドバンスト・マイクロ・デバイセズ<AMD>など半導体株が買われ、投資家心理を明るくさせた。

ただし、「トランプ次期米大統領は重要な品目だけに絞って関税を課すことを検討」との報道を、トランプ氏が否定すると米長期金利が上昇。これが相場の重荷となり、一時380ドルほど上昇していたNYダウは軟化し、その後は一進一退の展開が続いた。

NYダウ構成銘柄ではエヌビディアのほか、アップル<AAPL>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>、マイクロソフト<MSFT>、ウォルマート<WMT>、ゴールドマン・サックス<GS>が買われた。半面、ハネウェル・インターナショナル<HON>、ベライゾン<VZ>、プロクター・アンド・ギャンブル<PG>、セールスフォース<CRM>が軟調。

シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比335円高の3万9675円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比20円高の3万9360円で始まり、直後につけた3万9340円を安値にロング優勢となり、3万9670円まで買われた。買い一巡後は3万9460円まで軟化したが、米国市場の取引開始後に上へのバイアスが強まり、中盤にかけて3万9850円まで上げ幅を広げた。終盤にかけてロング解消の動きがみられたものの、3万9600円辺りでの底堅さが意識され、3万9670円でナイトセッションの取引を終えた。

日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや買い先行で始まることが見込まれる。鴻海精密工業については前日の時点で織り込まれているが、米半導体株への物色に波及したことで、改めて材料視されやすいだろう。そのため、指数インパクトの大きいアドバンテスト <6857> [東証P]など、値がさハイテク株が日経平均型を牽引する展開が期待される。

昨日の日経225先物は朝方に4万円を回復した後は下へのバイアスが強まり、一時3万9230円まで下げる場面もみられた。ただし、上向きで推移する25日移動平均線が支持線として意識されており、同線割れを狙ったショートは手控えられそうである。ナイトセッションではボリンジャーバンドの+1σ(3万9700円)を捉えており、レンジとしてはオプション権利行使価格の3万9375円から3万9875円での推移だった。

+1σ水準では強弱感が対立する可能性はあるものの、同線を挟んだ推移のなかで+2σ(4万0160円)が次第に意識されてきそうだ。そのため、オプション権利行使価格の3万9625円から4万0125円のレンジを想定し、押し目狙いのロング対応となろう。

6日の米VIX指数は16.04(3日は16.13)に低下した。一時15.71まで下げており、25日線(15.87)を下回っている。トランプ氏の関税政策に注目が集まるなか楽観は禁物だろうが、米半導体株主導の上昇により、リスク選好に向かわせそうだ。

昨日のNT倍率は先物中心限月で14.25倍に低下した。一時14.24倍まで下げ、200日線(14.25倍)を下回る場面もあった。足もとでは同線が支持線として意識されていたこともあり、その後はNTショートの動きは一服した。200日線を明確に割り込んでくるとNTショートに振れやすくなる可能性はあるが、米半導体株が買われるなかで、本日のところは同線を支持線にNTショートを巻き戻す動きが優勢になろう。

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