エコノミスト、米利回り上昇を警戒 英国発トラス危機の再来を警告

注目
2025年1月8日 1時26分

*米国債利回り(NY時間11:25)(日本時間01:25)

米2年債  4.308(+0.033)

米10年債 4.695(+0.065)

米30年債 4.920(+0.072)

期待インフレ率  2.391(+0.032)

※期待インフレ率は10年債で算出

2-10年債スプレッド 39(前営業日 35)

米国債利回りが急ピッチで上昇する中、エコノミストは英国のトラス元首相を辞任に追い込んだような債券市場の混乱が米国でも起こり得るとの見方を示した。米10年債利回りは現在4.6%と2024年5月以来の高水準をつけている。背景には減税を掲げるトランプ次期大統領の就任を控え、債務増大への懸念が高まっていることがあるという。

2022年には当時のトラス英首相が財源の裏付けのない大型減税を打ち出したことで金融市場が混乱。ポンドは急落し、英国債利回りが急上昇した経緯がある。米国債のタームプレミアム(利回り格差)も足元で2015年以来の高水準にあり、市場の不安を映している。

昨年9月以降の長期金利上昇の8割は財政政策への懸念が原因だろうと分析。高金利の長期化は22年の状況を想起させるような様々な潜在的な影響をもたらすとも語った。

国債利回りが高止まりし、企業が継続的に高い借り入れコストに直面することになれば、株式投資家も打撃を受けるだろうとも述べた。22年には米国債利回りが急上昇し、S&P500は19%下落した。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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