株価指数先物【寄り前】 +1σと+2σでのレンジ推移

市況
2025年1月9日 8時15分

大阪3月限ナイトセッション

日経225先物 39950 -10 (-0.02%)

TOPIX先物 2768.5 +3.0 (+0.10%)

シカゴ日経平均先物 39935 -25

(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

8日の米国市場は、NYダウ S&P500が上昇した一方で、ナスダックは下落。トランプ次期大統領が新たな関税プログラムを導入するため、国家非常事態宣言を検討していると米CNNが報じた。米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨ではトランプ次期政権の政策が物価上昇につながる可能性を踏まえ、インフレリスクが増したとの見方が明らかになった。これを受けて米長期金利が一時、昨年4月以来の水準に上昇したことが重荷となった。その後、米連邦準備理事会(FRB)のウォラー理事が講演で、さらなる利下げが適切になるとの考えを示したことが伝わると、過度な警戒感が後退する形となり、相場を下支えした。

NYダウ構成銘柄ではユナイテッドヘルス・グループ<UNH>、ウォルマート<WMT>、コカ・コーラ<KO>、3M<MMM>、アップル<AAPL>、マイクロソフト<MSFT>が買われた。半面、エヌビディア<NVDA>、ジョンソン・エンド・ジョンソン<JNJ>、ウォルト・ディズニー<DIS>、ナイキ<NKE>、メルク<MRK>などの下げが目立った。

シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比25円安の3万9935円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比変わらずの3万9960円で始まり、その後4万0060円まで買われた。買い一巡後は軟化すると、米国市場の取引開始直後には一時3万9720円まで売られる場面もみられた。ただし、終盤にかけて下落幅を縮め、3万9950円でナイトセッションの取引を終えた。

日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、小動きで始まることが見込まれる。米国で9日はカーター元大統領の服喪で休場になるため、海外勢のフローは限られるとみられる。休場明けの10日には12月の米雇用統計の発表を控えていることもあり、積極的な売買は手控えられやすいだろう。

大きなトレンドは出にくく、引き続きボリンジャーバンドの+1σ(3万9800円)と+2σ(4万0210円)辺りのレンジが意識されやすいところである。昨日はエヌビディアの急落の影響は限定的で、アドバンテスト <6857> [東証P]が昨年来高値を更新した。利食いは入りやすいとみられるが、他の半導体株についてもリバウンド基調を継続するなか、日経平均型を下支えすることが期待される。

日経225先物は4万円での攻防になりそうだが、+1σ水準では押し目狙いのロング対応に向かわせよう。そのため、オプション権利行使価格では3万9750円から4万0250円のレンジを想定する。ただし、4万円での底堅さがみられる局面では+2σ水準が意識されるだろうが、参加者が限られるなか、その場面ではいったんポジションをニュートラルに近づけておきたい。

8日の米VIX指数は17.70(7日は17.82)に低下した。一時19.50まで上昇したが、その後は75日移動平均線(17.25)に接近する形だった。トランプ次期政権の関税リスクが警戒されるものの、ボトム圏での推移を継続しており、ややリスク選好に向かわせやすいだろう。

昨日のNT倍率は先物中心限月で14.44倍に上昇した。14.34倍に低下して始まり、寄り付きを安値にNTロングの動きが強まった。一時14.45倍を付けており、昨年12月17日につけた戻り高値14.44倍を上回る場面もみられた。いったんは達成感によりNTロングを巻き戻す動きもありそうだが、底堅さが意識されてくると、方向性としては昨年10月半ばの14.70倍辺りを意識したNTロングの動きが強まる可能性がありそうだ。

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