話題株ピックアップ【夕刊】(1):久光薬、タウンズ、乃村工芸社

注目
2025年1月10日 15時45分

■久光製薬 <4530>  4,656円  +612 円 (+15.1%)  本日終値  東証プライム 上昇率トップ

久光製薬<4530>が急反騰。9日の取引終了後、25年2月期の連結業績予想について、売上高を1520億円から1540億円(前期比8.7%増)へ、営業利益を145億円から180億円(同36.7%増)へ、純利益を158億円から205億円(同46.7%増)へ上方修正したことが好感された。国内市場で「ジクトルテープ」、海外市場で「サロンパス」や女性ホルモン製剤「コンビパッチ」「ビベルドット」などが堅調に推移する見通しであることに加えて、円安の影響を考慮した。また、継続的な原価低減活動や返品削減の取り組みの効果、売り上げ構成の変化などによる売上原価率の改善なども寄与する。同時に発表した第3四半期累計(24年3~11月)決算は、売上高1112億5300万円(前年同期比8.2%増)、営業利益132億2000万円(同8.0%増)、純利益136億6000万円(同13.0%増)だった。

■タウンズ <197A>  720円  +84 円 (+13.2%)  本日終値

タウンズ<197A>が大幅高。国内でインフルエンザの流行が拡大している。厚生労働省によると昨年12月23~29日の1週間の患者数は1医療機関当たり64.39人となり、1999年の現行の統計開始以降で過去最多になった。体外診断用医薬品を手掛けるタウンズは、足もと中国で感染が広がっているヒトメタニューモウイルス(hMPV)に絡み思惑的な物色が向かっていたが、インフルエンザ関連の側面からも買いを集めているようだ。タウンズと同じく体外診断用医薬品を手掛けるミズホメディー<4595>、マスクメーカーの川本産業<3604>など、感染症対策関連に位置づけられる銘柄群の一角も高い。

■乃村工藝社 <9716>  929円  +78 円 (+9.2%)  本日終値  東証プライム 上昇率4位

乃村工藝社<9716>は後場急伸。午後3時ごろ、25年2月期連結業績予想について売上高を1370億円から1490億円(前期比11.1%増)へ、営業利益を57億円から80億円(同53.5%増)へ上方修正すると発表。あわせて配当予想を27円から32円に増額しており、これを好感した買いを集めた。今年4月に開催を控える大阪・関西万博関連のプロジェクトを手掛けている博覧会・イベント市場をはじめ、専門店市場や複合商業施設市場において多くの大型プロジェクトが進行中であることが寄与する見通し。

■セブン&アイ <3382>  2,490円  +115.5 円 (+4.9%)  本日終値

セブン&アイ・ホールディングス<3382>が後場に急伸。米ブルームバーグ通信が10日、同社のMBO(経営陣が参加する買収)計画を巡り、プライベートエクイティー(PE)投資会社のアポロ・グローバル・マネジメントが出資を検討していることが分かったと報じた。MBO実現の思惑が広がり、買いが入ったようだ。アポロは優先株で最大1兆5000億円の出資になる可能性があるという。また、セブンの創業家が5000億円、伊藤忠商事<8001>が1兆円超のエクイティー出資を行い、その他ファンドなどが優先株で参加する方向で調整を進めており、メガバンクなどからの融資を加えて9兆円規模の資金を集める計画となると伝えている。

■わらべ日洋 <2918>  2,099円  +97 円 (+4.9%)  本日終値

わらべや日洋ホールディングス<2918>は高い。9日取引終了後に3~11月期連結決算を発表し、売上高は前年同期比10.5%増の1692億8300万円、営業利益は同2.1%減の53億5100万円だった。営業減益となったものの、通期計画(36億円)を大幅に超過しており、これが買い材料視された。主力の食品関連事業で国内外の新工場が寄与し、全体を牽引した。一方、3月に稼働を開始した入間工場の初期赤字や工場再編に伴う一時費用の増加などが利益面で響いた。なお、通期見通しは据え置いている。

■C&R <4763>  1,630円  +62 円 (+4.0%)  本日終値

クリーク・アンド・リバー社<4763>が大幅高で3日ぶりに反発。9日の取引終了後、上限を40万株(発行済み株数の1.84%)、または5億円とする自社株買いを実施すると発表したことが好感された。取得期間は1月10日から5月31日までで、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策を遂行するためとしている。同時に25年2月期の連結業績予想について、売上高を550億円から505億円(前期比1.4%増)へ、営業利益を48億円から38億5000万円(同6.2%減)へ、純利益を31億円から25億円(同5.9%減)へ下方修正し、あわせて期末一括配当予想を43円から41円(前期41円)へ引き下げたが、織り込み済みとの見方が強い。一部の大手ゲームパブリッシャーの案件縮小や人材紹介サービスの成約の長期化、医療分野において前期に実施した構造改革の遅れなどの影響が生じていることが要因。また、グループとして過去最多の新卒採用や、成長著しいAI/DX領域への先行投資、更にオリジナルコンテンツに関する開発投資など将来の成長につながる投資を積極的に行ったことも響いた。なお、第3四半期累計(24年3~11月)決算は、売上高381億200万円(前年同期比0.7%増)、営業利益29億8600万円(同14.2%減)、純利益20億3100万円(同10.8%減)だった。

■コシダカHD <2157>  1,088円  +27 円 (+2.5%)  本日終値

コシダカホールディングス<2157>は3日ぶり反発。午後1時ごろ、9~11月期連結決算を発表。売上高が前年同期比14.5%増の150億9500万円、営業利益が同27.1%増の7億2800万円となり、これが好感された。主力のカラオケ事業で積極的な出店を継続した。為替差益などの営業外収益があった前年同期の反動で、純利益は大幅減益で着地した。なお、通期の増収・営業増益見通しは据え置いた。

■寿スピリッツ <2222>  2,114.5円  +51.5 円 (+2.5%)  本日終値

寿スピリッツ<2222>が続伸。9日の取引終了後、25年3月期第3四半期(10~12月)の売上状況の開示を行った。第3四半期の売上高は概算で前年同期比15.2%増の209億500万円と、増収基調を継続しており、好感されたようだ。セグメント別では「シュクレイ」や「ケイシイシイ」、「寿製菓・但馬寿」が2ケタの増収となった。インバウンド売上高(国際線ターミナル売上高)は同40.6%増の27億6500万円となった。

■明星工業 <1976>  1,400円  +27 円 (+2.0%)  本日終値

明星工業<1976>は5日ぶりに反発。9日の取引終了後に関東財務局に提出された変更報告書で、イギリスに本拠を置く投資運用会社ニッポン・アクティブ・バリュー・ファンドとその共同保有者による株式保有割合が5.32%から6.37%に上昇したことが判明しており、需給思惑的な買いが入ったようだ。保有目的は、投資及び経営陣に対する経営の助言並びに重要提案行為などを行うこととしており、報告義務発生日は12月30日となっている。

■大同特殊鋼 <5471>  1,165円  +14.5 円 (+1.3%)  本日終値

大同特殊鋼<5471>が4日ぶりに反発した。SBI証券が9日、大同特鋼の投資判断を「中立」から最上位の「買い」に引き上げた。目標株価は1550円から1720円に増額修正している。経済指標などを踏まえ、半導体製造装置向けのステンレスの出荷の緩やかな回復を予想するとともに、特殊鋼鋼材については自動車や産業機械向けの出荷が増加する期待値が高まっていると指摘。11月の鉱工業指数速報値において出荷と在庫のバランスが3カ月移動平均ベースで好転したことを踏まえ、在庫循環が同社株のバリュエーションの上昇余地をもたらすと想定する。

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