損保株が上昇に転じる アナリストからは売られ過ぎとの指摘も=米国株個別

材料
2025年1月14日 0時00分

(NY時間09:57)(日本時間23:57)

トラベラーズ<TRV> 233.34(+0.91 +0.39%)

オールステート<ALL> 183.54(+2.55 +1.41%)

トラベラーズ<TRV>やオールステート<ALL>など損保株に買い戻しが入っている。時間外では軟調に推移していたものの、通常取引に入って買いが出ている状況。ロサンゼルス市内の一部を襲っている山火事の影響で保険株に売りが強まった。米気象局はマリブ、サンフェルナンド・バレー、ベンチュラ郡の大部分に、特に危険な状況の警告を発している。

ただ、アナリストからは先週の損保株は売られ過ぎとの指摘が出ている。「ロサンゼルス地域を襲っている前例のない山火事の状況から、保険金支払額が史上最高の山火事被害となる可能性が高い」と指摘。しかし、「先週見られた多くの反応は行き過ぎ」とも指摘している。

山火事のモデリングを専門とするケトル社は保険損害額を110億ドルから175億ドルと見積もっているが、ギャラガー・リー社は100億ドルから200億ドルと幅を持たせている。

別のアナリストは「山火事は投資家の注目を引く主要な問題であり続けるが、山火事による経済的損失の規模を推定するにはまだ時期尚早だ」と述べている。

また、バロンズ誌は損保株について、すべて売却してはいけないと指摘。気候変動による災害の頻度が増しているため、保険株は需要増から、過去5年間にS&P500を上回るペースで上げている。ETFのiシェアーズUSインシュアランスは87%上昇の一方、S&P500種は80%高。リスクの広がりが業界の拡大につながるため、長期見通しは明るいと予測している。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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