IBM、決算受け大幅高 強気見通しを示す AIも堅調=米国株個別
(NY時間09:40)(日本時間23:40)
IBM<IBM> 251.37(+22.74 +9.95%)
IBM<IBM>が大幅高。前日引け後に10-12月期決算(第4四半期)を発表し、売上高は予想範囲内だったものの、1株営業利益は予想を上回った。通期ガイダンスでも予想を上回る売上高見通しとフリーキャッシュフロー(FCF)の強気見通しを示した。AIも堅調で、生成AIの受注残高は現在、開始以来累計で50億ドルを超え、前四半期比で約20億ドル増加したとしている。
同社は従来型のコンピューター企業から、高成長のソフトウエアおよびサービスに重点を置く企業へと転換を図っている。買収を通じて製品のラインアップも拡充。ソフトウエア部門の売上高は79億ドルまで拡大しているが、それは2019年に買収したレッドハットの16%成長が寄与した。
クリシュナCEOは声明で「3年前にわれわれはより成長が早く、より収益性の高い企業に向けたビジョンを打ち出した。チームがコミットメントを達成し、あるいはそれを上回るために行った仕事に誇りを持っている」と述べた。
トランプ政権が政府全体の歳出削減を表明しているが、それについてカバノーCFOは同社の売上高の3-4%が連邦政府関連とした上で、「新政権が打ち出す可能性のあるテクノロジーイニシアチブは大きなチャンス」との認識を示している。
アナリストからも高評価が出ており、「今回の結果は素晴らしい内容で、ソフトウェアの伸び加速が、コンサルティングとインフラの落ち込みを相殺した」と強調。「今回の決算は同社のソフトウェアとコンサルティングの両セグメントにおける独自の地位を示し、AIと潜在的なM&Aがさらなる上向きのカタリストとなっている」と評していた。
(10-12月・第4四半期)
・1株営業利益:3.92ドル(予想:3.74ドル)
・売上高:175.5億ドル 1%増(予想:175.4億ドル)
ソフトウェア:79.2億ドル(予想:79.5億ドル)
コンサルティング:51.8億ドル(予想:52.7億ドル)
インフラ:42.6億ドル(予想:41.3億ドル)
・粗利益率(調整後):60.6%(予想:60.5%)
・FCF:61.6億ドル(予想:56.3億ドル)
(通期見通し)
・売上高:5%超の増加(予想:4.8%増)
・FCF:約135億ドル(予想:129.2億ドル)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
株探ニュース