伊藤智洋が読むマーケット・シナリオ【週間展望】 2月24日版
日経平均は3万5247円目指す展開へ入っている公算も
1. NYダウは4万1844ドルまでの下げ方で今年の展開が見えてくる
図1は、 NYダウの日足です。前週末に2月3日安値の4万3879ドルを割れたことにより、1月31日と2月6日の高値で短期のダブル・トップを完成しています。現在が短期の天井型を完成した後の下げ場面へ入っているなら、目先は目立った反発なく、1月15日安値の4万2927ドルを大きく下回る地点まで下げる公算です。
過去の値動きのパターンを考慮すると、NYダウの目先の下げは3月頃に押し目をつけて、(一時的であっても)上昇を開始すると考えられます。
また、これまでの上昇の流れから判断すると、強気の展開になる場合、本年は5月から10月の範囲で4万6000ドルを大きく上回る地点まで上げる公算です。
本年が強気の展開になる場合、NYダウは図1の青の実線のように、2月末から3月上旬までの期間で1月13日安値の4万1844ドル前後か、4万1844ドル以上の地点で押し目をつけて上昇を開始すると考えられます。上昇後は、4月中に昨年12月の高値4万5073ドル以上へ上げる動きになる公算です。
一方で、本年が弱気の展開になる場合、4万5073ドルが2020年3月から続く上昇の流れの終点となる可能性が出てきます。
その場合、現在の下げは昨年12月高値の4万5073ドルと、2025年1月高値の4万5054ドルで作るダブル・トップを形成するための下げ場面だと考えられます。
天井型を形成する過程では、戻り高値、押し目の値位置までの振れが急激になりやすい傾向があります。特に天井型を完成する際、ネック・ラインとなる押し目を割れる場面ではそれまで以上に勢いが強くなり、一気にネック・ラインを下抜く展開になります。
以上のことを考慮すると、NYダウは今週から来週にかけての下げ方、下げ幅によって、本年全体の強弱が見えてくると推測できます。
本年が弱気の展開になる場合、目先は強い勢いを継続して4万1844ドルを一気に下回る展開になる公算です。
「目先、緩やかな下げ方へ移行する」、または「目先、一気に4万1844ドルまで下げても、その後強く下値を支えられて、3月に上げ幅の大きな動きが表れる」などの展開になると、その後は再度上昇の流れへ入る可能性が出てきます。
図1 NYダウ(日足)