話題株ピックアップ【夕刊】(2):ファストリ、JT、C&R
■ファーストリテイリング <9983> 47,190円 +790 円 (+1.7%) 本日終値
ファーストリテイリング<9983>が反発。4日の取引終了後に発表した2月度の国内ユニクロ売上速報で、既存店とEコマースを合わせた売上高が前年同月比12.2%増と4カ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。気温が低く推移したことで、防寒衣料の販売が好調だったことに加えて、春物の新商品の販売も好調だった。内訳では、客数が同8.2%増とプラスに転じ、客単価も同3.7%増となった。
■JT <2914> 3,861円 +42 円 (+1.1%) 本日終値
JT<2914>は値刻みこそ小幅ながら4日続伸と上値指向を強めている。昨年12月中旬以降、調整局面に入っていたが、2月20日ザラ場につけた安値3700円を目先の底にリバウンド局面に移行している。配当利回りが5%強と高く、12月期決算銘柄ながら4000円未満は配当権利取り狙いで中期拾い場とみた実需買いが観測される状況。財務リスクとしてこれまでの株価下落要因となっていたカナダでの健康リスク訴訟が、和解成立の方向となったことで、これも買いが入りやすくなった背景にある。テクニカル的には上値抵抗ラインとなっていた25日移動平均線との下方カイ離をほぼ解消しており、ここを明確にブレークすれば戻り足に弾みがつきそうだ。
■C&R <4763> 1,704円 +14 円 (+0.8%) 本日終値
クリーク・アンド・リバー社<4763>が3日続伸。正午ごろ、子会社Idrasysが、台湾でAIを活用したDX支援事業を展開するインツミットが開発したAIエージェントサービス「GenAI Admin Portal」の提供を開始したと発表しており、好材料視された。同サービスは、社外向けには音声での予約受付やチャットボットなどのAIカスタマーサポート、社内向けにはQAチャットボットや音声会議記録要約、契約書・規則比較、コピーライティング、マーケティング、多言語翻訳など幅広い用途で利用できるサービス。既に台湾では政府機関や地方自治体、電力会社や地下鉄、航空会社など数多くの企業・団体に導入されているとしている。
■ソフトバンクグループ <9984> 7,997円 +65 円 (+0.8%) 本日終値
ソフトバンクグループ<9984>が反発。前日は400円弱の急落となり昨年9月中旬以来約半年ぶりに終値で8000円台を下回った。直近は2月下旬以降の調整局面で前日までマドを4回も開けて株価を切り下げる波乱の展開だったが、目先売られ過ぎとみたリバウンド狙いの買いや、全体指数とリンクさせてショートポジションを組んでいた向きの買い戻しなどが入っている。前日の米国株市場ではここ下値模索を余儀なくされていたエヌビディア<NVDA>が反発したほか、TSMC<TSM>などもリバウンドに転じており、半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も小幅ながらプラス圏で引けている。ソフトバンクG傘下のアーム・ホールディングス<ARM>が目先下げ止まったこともポジティブ材料として働いている。
■INPEX <1605> 1,913円 +15.5 円 (+0.8%) 本日終値
INPEX<1605>は朝安後、プラス圏に浮上した。4日の米原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の4月限が前日比0.11ドル安の1バレル=68.26ドルと下落。一時66.77ドルまで値を下げた。トランプ米政権は4日、カナダ、メキシコからの輸入品に25%の関税を発動し、中国に10%の追加関税を課した。この動きに3国からは報復関税の動きも出ており、貿易戦争による原油需要低下が警戒された。ただラトニック米商務長官は4日、メキシコとカナダに対する関税の軽減を5日にも発表する可能性があると示唆した、と伝わった。これを受け、INPEXの下値には買いが入りプラス圏に切り返している。
■伯東 <7433> 4,425円 +35 円 (+0.8%) 本日終値
伯東<7433>が4日ぶりに反発。この日、分光イメージングセンサーなどを手掛けるベルギーのスペクトリシティ社と日本国内における代理店契約を締結したと発表しており、好材料視された。スペクトリシティ社は、世界有数のナノエレクトロニクス研究機関であるベルギーのimec(ベルギー)からスピンオフした企業。今回の代理店契約締結により伯東は、スペクトリシティ社の最先端分光センシング技術を活用してスマートフォン、ウェアラブル、ヘルスケア、産業用途など、新たなセンシングソリューションの創出を支援するほか、技術サポートと販売ネットワークを活用することでスペクトリシティ社製品の導入促進と市場拡大を目指すとしている。
■ミライト・ワン <1417> 2,245.5円 +12 円 (+0.5%) 本日終値
ミライト・ワン<1417>はしっかり。岩井コスモ証券は4日、同社株の投資判断「A」と目標株価2800円を継続した。第3四半期累計(24年4~12月)の連結営業利益は121億2200万円(前年同期比2.4倍)となった。受注高も4620億円と計画超過の可能性が高い。受注高の伸びの要因として、第1にはNTT向けの拡大、第2にはM&Aした西武建設や国際航業の好調、第3にデータセンター向けの受注増加、第4にマルチキャリアの回復を挙げている。同証券では、25年3月期の同利益は会社計画270億円(前期比51.4%増)に対し273億円を予想。足もとの配当利回りは3.3%前後と高く、株主優待が拡充されたことなども評価している。
■イエローハット <9882> 2,858円 +14 円 (+0.5%) 本日終値
イエローハット<9882>はしっかり。4日の取引終了後、自社株192万9600株(発行済み株数の4.4%)を3月24日付で消却すると発表しており、好材料視された。なお、消却後の発行済み株数は4799万3546株となる。
■西日本鉄道 <9031> 2,185円 +7.5 円 (+0.3%) 本日終値
西日本鉄道<9031>が反発。この日、グループの西鉄ホテルズが福岡空港国内線ターミナル東側に「ソラリア西鉄ホテル福岡エアポート(仮称)」を27年夏ごろに開業すると発表しており、好材料視された。同ホテルは、福岡国際空港(福岡市博多区)が福岡空港国内線地区に開業予定の複合施設の5~11階を賃借・出店するもの。同社グループ初の空港直結型ホテルとなる予定で、福岡空港は3月に第2滑走路の供用開始により更なる利用拡大が見込まれているだけに、早朝便利用のビジネス客や国内外の観光客の宿泊需要の取り込みによる業績への貢献が期待されている。
■TOPPAN <7911> 4,606円 +13 円 (+0.3%) 本日終値
TOPPANホールディングス<7911>が底堅い。4日の取引終了後、従来の株主優待に加えて、グループ会社が運営する電子書籍ストア「ブックライブ」で利用できるポイントと引き換え可能なデジタル図書券を進呈する制度を新設すると発表。これを好感した買いが株価を下支えしたようだ。保有株式数100株以上の株主に対し、ブックライブ向けデジタル図書券2000ポイント(1ポイント=1円相当)を進呈する。継続保有期間3年以上の株主に対しては1000ポイントを追加し、3000ポイントを贈呈する。500株以上の株主に対しては従来通り、株主優待カレンダーの受け取りを申請できる。今年3月末日時点の株主より適用する。
株探ニュース