【市場反応】米1月貿易赤字は過去最大、関税発動前に輸入急増、景気見通し悪化でドル安

市況
2025年3月6日 23時04分

米商務省が発表した1月貿易収支は-1314億ドルとなった。赤字幅は12月981億ドルから予想以上に拡大し、過去最大となった。トランプ政権の関税発動前に輸入が急増。一方、関税の対象となるカナダの貿易収支では、1月の黒字が39.7億加ドルと、12月+16.6億加ドルから予想以上に拡大し、2008年8月来で最大を記録した。

米先週分新規失業保険申請件数(3/1)は前週比2.1万件減の22.1万件と前回から予想以上に減少した。DOGEによる連邦職員の削減が労働市場に与える影響が限定的であることが確認された。米失業保険継続受給者数(2/22)は189.7万人と、前回185.5万人から予想以上に増加。

米10-12月期非農業部門労働生産性確定値は前期比年率+1.5%と、予想外に、速報値+1.2%から上方修正された。前期の+2.9%から伸びが鈍化し23年1-3月期以来で最低。同期単位労働コスト確定値は前期比年率+2.2%と、予想外に速報値+3.0%から鈍化した。ただ、1-3月期以来のプラスに転じた。

米国の貿易赤字拡大が国内総生産(GDP)にマイナスに寄与するとの見方にドル売りが加速。ドル・円は147円35銭まで下落し、昨年10月来の円高・ドル安を更新した。ユーロ・ドルは1.0826ドルで高止まり。ポンド・ドルは1.2895ドルでもみ合いとなった。

【経済指標】

・米・先週分新規失業保険申請件数(3/1):22.1万件(予想:23.3万件、前回:24.2万件)

・米・失業保険継続受給者数(2/22):189.7万人(予想:187.4万人、前回:185.5万人←186.2万人)

・米・10-12月期非農業部門労働生産性確定値:前期比年率+1.5%(予想:+1.2%、速報値:+1.2%)

・米・10-12月単位労働コスト確定値:前期比年率+2.2%(予想:+3.0%、速報値:+3.0%)

・米・1月貿易収支:-1314億ドル(予想:-1288億ドル、12月:-981億ドル←-984億ドル)

・加・1月貿易収支:+39.7億加ドル(予想:+13億加ドル、12月:+16.6億加ドル)

《KY》

提供:フィスコ

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