ブロードリーフ Research Memo(1):自動車部品業を中心としたモビリティ産業向けSaaS企業

特集
2025年3月10日 14時11分

■要約

ブロードリーフ<3673>の主要事業は、自動車整備工場や部品商などモビリティ産業向けのソフトウェアの開発・販売である。同社はソフトウェア販売のメイン商材を、従来ソフトウェア「.NSシリーズ(ドット・エヌエス・シリーズ)」から新たなクラウドソフトウェア「.cシリーズ(ドット・シー・シリーズ)」へ移行する方針を掲げ、モビリティ産業のDX推進の支援を進めている。「.cシリーズ」は売上方式が月次売上計上であるため2023年12月期までは営業損失を計上したが、終了した2024年12月期には営業損益は黒字化した。さらに2025年12月期は122.5%の営業増益が予想されており、収益拡大期に入ってきた。

1. 2024年12月期の業績

2024年12月期の連結業績(IFRS基準。以下同)は、売上収益が18,045百万円(前期比17.3%増)、営業利益が674百万円(前期は1,902百万円の損失)、税引前利益が545百万円(同1,921百万円の損失)、親会社の所有者に帰属する当期利益が343百万円(同1,487百万円の損失)となった。ライセンス数やライセンス平均月額売上などの主要KPI(重要指標)も計画に沿って進捗しており、クラウド化が順調に進んでいることから収益は黒字転換した。業績が順調に伸びていることに加えて当期利益が黒字化したことから、年間配当を2.0円(前期は1.0円)へ増配した。

2. 2025年12月期の業績予想

2025年12月期の連結業績については、売上収益20,100百万円(前期比11.4%増)、営業利益1,500万円(同122.5%増)、税引前利益1,500百万円(同175.3%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益1,000百万円(同191.3%増)を見込んでいる。パッケージ型ソフトからクラウドへの移行は、当初計画よりは若干遅れ気味ではあるが、順調に拡大していることから増益基調が続く見込みだ。顧客数や平均客単価などの重要指標(KPI)は前期に引き続き順調に増加しており、この予想が達成する可能性は高いと思われる。また配当については、年間4.0円(前期は2.0円)に増配することを発表済みだが、会社は「配当性向35%は維持したい」としていることから、業績が上振れるようであれば、さらなる増配の可能性もありそうだ。

3. 中期経営計画

同社は、2022年12月期から2028年12月期までの中期経営計画を発表している。この計画では、当初の2年間(2022年12月期から2023年12月期)は営業損失を計上するものの、その後はクラウドソフトウェア「.cシリーズ」への移行が進み、最終年度である2028年12月期には売上収益315億円、営業利益130億円を目標としている。この計画に沿って2023年12月期までは営業損失となったが、終了した2024年12月期には営業損益は黒字転換した。主要な指標の進捗状況などを踏まえて、中期経営計画の2025年12月期から2027年12月期の進捗は当初計画よりは若干後ずれする見込みだが、最終年度である2028年12月期の目標値は変わっていない。今後の動向は引き続き注目に値する。

■Key Points

・モビリティ産業向けSaaS企業。主力ソフトのクラウド化を推進中

・2024年12月期は営業黒字となる。進行中の2025年12月期は前期比122.5%の営業増益予想

・中期経営計画の最終年度(2028年12月期)で売上収益315億円、営業利益130億円を計画

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

《HN》

提供:フィスコ

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