ダウ先物は小幅に上昇 下げ一幅も上値は重そう=米国株

市況
2025年3月11日 21時50分

米株価指数先物(3月限)(NY時間08:37)(日本時間21:37)

ダウ先物 41983(+36.00 +0.08%)

S&P500 5627.75(+7.00 +0.12%)

ナスダック100先物 19491.00(+38.25 +0.19%)

きょうの米株価指数先物市場でダウ先物、S&P500、ナスダック100とも小幅に上昇しており、本日は下げ一服で始まりそうな気配となっている。ただ、大手IT・ハイテク株は時間外で軟調に推移しており、上値は重そうだ。

関税と政府の歳出削減が米成長に打撃を与えるとの懸念から、前日の米株式市場は売りが強まった。ダウ平均は一時1100ドル超急落するなど、大幅な見直しが入ったが、本日はその動きが一服。しかし、状況に変化はなく、市場のムードは依然として神経質で、FRBも政策調整を急がない姿勢に変化はない。

「短期的には、押し目買いを推奨するのは依然難しく、弱気のケースの方がより大きなウェイトを占めている。成長への期待は後退を続け、企業業績への期待もそれにつれて低下しているようだ」との指摘が出ている。また、「トランプ政権の政策への不透明感が先行きを曇らせている一方、FRBプット(FRBの支援)はホワイトハウスと同じくらい捉えどころがない」との見解も聞かれた。

米大手銀のストラテジストは、米国株への投資判断を中立に引き下げていたが、本日は反発したとしても上値は依然として重そうだ。

一方、一部では景気後退への懸念が浮上しているが、「それは誇張され過ぎている。なぜ突然不況になるのか?実際に景気後退を示す指標は何か?比較的好調な米雇用統計があり、個人消費の伸びもまだ3ー4%のペースだ」との声も聞かれる。

本日は日本時間23時に1月の米求人件数が公表される。9月以来の低水準となった前回と同水準の数字が見込まれている。予想を大きく下回る内容であれば、市場は敏感に反応する可能性は留意される。

オラクル<ORCL>が決算を受け時間外で下落。1株利益、売上高とも予想を下回った。クラウドサービスが予想を下回っている。ただ、受注残を示す残存履行義務(RPO)は63%増加した。

デルタ航空<DAL>が時間外で下落。前日引け後に1-3月期(第1四半期)のガイダンスを更新し、1株利益を従来の約半分に下方修正した。不安定な経済とフライトの安全性を巡る懸念が国内旅行の需要に水を差したとしている。

作業管理ソフトウェアのアサナ<ASAN>が決算を受け時間外で大幅安。1株損益の赤字が予想以上だったほか、第1四半期のガイダンスで予想を下回る売上高見通しを示した。同社は今回の決算を受けて、モスコヴィッツCEOの退任を発表。

スキーリゾート運営のベイル・リゾーツ<MTN>が決算を受け時間外で上昇。株利益、EBITDAとも予想を上回った。通期のガイダンスも公表し、純利益の見通しレンジを上方修正した。

宇宙・防衛のレッドワイヤー<RDW>が決算を受け時間外で大幅安。売上高が予想を下回ったほか、1株損益の赤字が予想以上だった。EBITDAも予想外の赤字となっている。

(NY時間08:47)(日本時間21:47)時間外

オラクル<ORCL> 146.00(-2.79 -1.88%)

デルタ航空<DAL> 49.01(-1.32 -2.62%)

アサナ<ASAN> 12.22(-4.46 -26.74%)

ベイル・リゾーツ<MTN> 161.00(+7.42 +4.83%)

レッドワイヤー<RDW> 9.15(-2.11 -18.73%)

アップル<AAPL> 225.53(-1.95 -0.86%)

マイクロソフト<MSFT> 379.95(-0.21 -0.06%)

アマゾン<AMZN> 193.86(-0.68 -0.35%)

アルファベット<GOOG> 167.11(-0.70 -0.42%)

テスラ<TSLA> 223.35(+1.20 +0.54%)

メタ<META> 598.07(+0.08 +0.01%)

エヌビディア<NVDA> 106.66(-0.32 -0.30%)

AMD<AMD> 97.48(+0.85 +0.88%)

イーライリリー<LLY> 825.01(-4.75 -0.57%)

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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