欧米為替見通し:ドル・円は戻りの鈍い値動きか、米スタグフレーション入りを見極め

通貨
2025年3月13日 17時25分

13日の欧米外為市場では、ドル・円は戻りの鈍い値動きを予想する。米国経済が不透明感を深めるなか、インフレ鈍化ならドル売り後退の見通し。一方、米国の関税措置による通商摩擦激化への警戒感から、円買いがドルの上値を抑えそうだ。

欧州連合(EU)は米国の関税引き上げに対する対抗措置を講じる方針で域内経済への影響が懸念され、前日はユーロの利益確定売りが先行。一方、この日発表された米消費者物価指数(CPI)は予想外に鈍化し、スタグフレーション懸念の一服でドルが買い戻される場面があった。ただ、ドル売り圧力でユーロ・ドルは下げ渋り、ドル。円は149円台から値を下げた。本日アジア市場で円買いは後退し、ドル・円は148円前半で推移した。

この後の海外市場は引き続き米経済指標にらみ。米国の政策運営や国内経済が不透明感を深めるなか、前日のCPIに続き今晩の生産者物価指数(PPI)も鈍化が顕著ならインフレ鈍化の安心感が広がりやすい。ただ、新規失業保険申請件数は前週分を上回る状況となり、雇用情勢の悪化が顕著になればドル買いは短期的に。米国の相手国との通商摩擦激化で全般的にドル買いに振れやすいものの、安全通貨の選好地合いでドル・円の上昇は抑制されるとみる。

【今日の欧米市場の予定】

・19:00 ユーロ圏・1月鉱工業生産(前月比予想:+0.7%、12月:-1.1%)

・21:30 米・先週分新規失業保険申請件数:(予想:22.5万件、前回:22.1万件)

・21:30 米・2月生産者物価コア指数(前年比予想:+3.6%、1月+3.6%)

《CS》

提供:フィスコ

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