新興市場見通し:グロース市場250指数は今年安値圏からの反発を試す展開に

市況
2025年3月15日 12時20分

■主力株を中心に買い戻される展開

今週の新興市場は上昇。同時期の騰落率は、日経平均が+0.45%だったのに対して、グロース市場指数は+4.01%、グロース市場250指数は+4.48%と新興市場の上昇が目立った。トランプ関税が与える米国経済への影響が嫌気されて米国株が売られたことで、プライム市場の大型株は荒い値動きとなったが、新興市場は主力株を中心に買い戻される展開となった。外部環境に左右されにくいことから、消去法的な買いが入ったとの見方もある。

時価総額上位銘柄では、西友買収発表後、一部経済誌等でも業態が取り上げられたことなどから、トライアルHD<141A>が大幅高となった。また、アストロスケールHD<186A>とispace<9348>は、証券会社のポジティブなレポートを材料に買われた。なお、先週荒っぽい値動きとなったジーエヌアイグループ<2160>は、やや落ち着きを取り戻した様子。一方、決算を発表したGENDA<9166>は、26年1月期売上高を前期比40%増の1570億円と見込むも、前期比では鈍化することから材料出尽くし感が先行し売られた。

■投資家のセンチメントは大幅に改善

来週の新興市場は、引き続き外部環境に左右されにくい観点から買いが続きそうだ。グロース市場250指数が今年の最安値手前で反転したことも、ポジティブ材料と言えよう。25日移動平均線(25MA)が位置する664ポイントを上回れば、リバウンドは継続しそうだ。売買代金も連日で2000億円に迫っており、先週比では投資家のセンチメントは大幅に改善されたと考える。来週は、グロース市場の売買代金トップクラスであるタイミー<215A>とカバー<5253>の上値の重さが払しょくされるかに注目したい。両銘柄とも好材料を発表しても買いが続かない状況だ。ともにグロース市場時価総額ランキングトップ5位内に入る主力株であることから、グロース市場250指数の反発継続は両社次第と考える。

来週から月末にかけて、12社のIPOが予定されている。18日にグロース市場に人材獲得プラットフォーム開発を手掛けるTalentX<330A>、19日にスタンダード市場にデジタルマーケティング支援事業を手掛けるメディックス<331A>、プライム市場に半導体材料や情報通信材料の製造などを手掛けるJX金属<5016>、21日に福岡Qボードに不動産管理サポート事業などを手掛けるパパネッツ<9388>がそれぞれ上場する。市場の注目は19日のJX金属だ。公開規模4300億円相当と東京メトロ<9023>(公開規模3486億円)を超える超大型IPOとなる。初値高騰への期待感は低いが、超大型IPOの初値はさほど大きく崩れない傾向があるので、セカンダリーを意識した活発な売買は期待できよう。一方、類似企業の非鉄金属セクターではリバランスが発生する可能性があるので注意したい。

《FA》

提供:フィスコ

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

プレミアム会員限定コラム

お勧めコラム・特集

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
株探プレミアムとは

日本株

米国株

PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.