最高益更新の持続 = 大分発祥の強み × 領域拡大
~株探プレミアム・レポート~ジェイリース 最終回
・前回記事「一時は上場ゴール疑惑も、最高益更新の転換で13倍株に」を見る
この記事を読んで分かること |
1. 成長戦略の2つの柱 |
2. 次なる成長ドライバーのポテンシャルと勝算 |
3. 今後の株主還元など資金配分の方針 |
2022年の上場後に一時テンバガー(10倍株)となったライフドリンク カンパニー<2585>を初動時に仕込んで「もうすぐ億り人」になったたかねこさん(ハンドルネーム)は、前回も紹介したようにジェイリース<7187>をポートフォリオに加えている。
たかねこさんが同社に期待しているのは業界内でのブランド力(前回参照)。そしてもう1つが、中核事業である住宅向けの家賃債務保証の分野以外にも収益基盤を広げ、収益力の強化を目指していることだ。
前期(2024年3月期)時点で、住居向け家賃債務保証ビジネスの売上高が占める割合は全体の60%。現時点でも、住居向けの依存度は薄まっているが、今後はさらに割合が低まる可能性が高い。
現在、開拓を強化しているのは複数ある。「その潜在的な市場規模の総計は、足元の住宅向けに匹敵する規模になる」と同社の中島土社長は見通す。
最終回は、現在中核の居住物件の家賃債務保証サービスと、今後第2、第3の柱となることを期待して開拓している事業の成長戦略について見ていく。
■中島土社長
住宅の家賃債務保証、大都市圏も営業強化
現在主力の住居向け家賃債務保証サービスでは、地方への面展開を継続しつつ、これまで優先順位を下げていた大都市圏(一都三県、愛知県、大阪府)での営業活動を強化する。
前回に触れたように、同社の地域別での市場シェアは、地盤である九州地方の各県では20~60%、九州以外の地方でも各道府県で最大20%を占めている。それに比べて大都市圏の各都府県は3~5%と1桁にとどまる。
今後は大都市では、人員を積極的に増やし、アパートの管理戸数の多い賃貸管理会社を中心に営業活動を強化する。管理戸数が多ければ賃借人と接触する機会も多くなり、収益機会も増す。
地方戦略では、引き続き営業エリアを拡大する。2024年末時点で、同社の進出エリアは37都道府県になる。1県1拠点を基本に展開している中で、現在、同社が設置している拠点数は40になり、27年3月期には47に増やす計画。
ただし、県によっては複数の拠点を設置しているため、47都道府県すべてに拠点を設置するのは、さらに1年ほど先になる見込みだ。
今後、地方と大都市の両方に注力する戦略で、同社は2027年3月期の事業別売上高を、3期前の24年3月期から43%増となる111億円に拡大させる計画だ。
住居向けの成長余地は限定的
一方で、中核の住宅向け家賃保証サービスは既に利用率が80%近くと成熟市場となっている。人口減や空き家が増えている中でも、単身世帯の増加や2020年の改正民法の施行で市場は伸びているが、今後の伸び率は鈍る見通しだ。
ジェイリースの見通しでは、市場規模は2022年~24年は平均4%成長していたが、24年から27年は平均3%成長に減速する。
そうした状況の中で、同社がさらなる成長をもたらすために取り組んでいるのが、次に紹介する2つの分野になる。
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