為替週間見通し:ドルは伸び悩みか、米国経済の減速懸念残る

通貨
2025年3月29日 14時00分

【今週の概況】

■ドル上昇は一服、米経済減速とインフレ持続に対する警戒感高まる

今週の米ドル・円は上昇一服。トランプ米大統領は3月24日、「4月2日に予定する関税の一部は、一部の国については減免する可能性がある」と表明したことを受け、週前半はリスク選好的な米ドル買い・円売りが強まり、一時151円台前半まで米ドル高・円安に振れる場面があった。しかしながら、米国経済の減速とインフレ持続に対する警戒感が高まり、米国株式の下げ幅は拡大したことを受けて米ドル買い・円売りは縮小した。

28日のニューヨーク外為市場でドル・円は150円91銭まで買われたが、149円台後半まで反落した。この日発表された2月コアPCE価格指数は市場予想を上回る伸びを記録し、インフレ持続が示されたが、同時に米国経済の減速も警戒されたことから米国株式は続落し、リスク回避的な米ドル売り・円買いが優勢となった。米ドル・円は149円84銭でこの週の取引を終えた。米ドル・円の取引レンジ:149円02銭-151円21銭。

【来週の見通し】

■ドルは伸び悩みか、米国経済の減速懸念残る

来週のドル・円は伸び悩みか。米トランプ政権は4月2日に貿易相手国への関税引き上げを実施する見込みだが、相互関税の発動が世界経済に与える影響については未知数との見方が依然として多いようだ。1日に発表される3月ISM製造業景況指数が節目の50を下回った場合、景気減速の可能性が高まりそうだ。4日発表の3月雇用統計が市場予想を下回る内容だった場合、6月の利下げ再開を想定してリスク回避的な米ドル売り・円買いが強まる可能性がある。

米連邦準備制度理事会(FRB)は目先の政策修正には慎重な姿勢を表明したが、米国経済の停滞とインフレ持続への政策対応を迫られそうだ。追加利下げ観測が後退すればドル売りは拡大しない可能性があるが、米国経済の一段の減速が警戒された場合、米国株式は軟調地合いとなり、リスク回避的な米ドル売り・円買いが強まる展開もあり得る。

【米・3月ISM製造業景況指数】(4月1日発表予定)

4月1日発表の3月ISM製造業景況指数は49.8と、節目の50を下回る見通し。ただ、市場予想を上回った場合、米国経済の減速懸念は和らぎ、ドルの買い戻しが強まるだろう。

【米3月雇用統計】(4月4日発表予定)

4月4日発表の米3月雇用統計では失業率が4.1%、非農業部門雇用者数は前月比+13.5万人程度と予想される。前回実績を下回った場合、ドル売り要因となる。

予想レンジ:148円00銭-152円00銭。

《FA》

提供:フィスコ

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