伊藤智洋が読むマーケット・シナリオ【週間展望】 3月30日版
日経平均は4月中旬頃までに3万3000円まで下げる公算も
1. 日経平均の3月押し目と4月押し目の違い
前回の本コラムでは、本年の 日経平均株価は『「3月に年初来安値を更新」「前年末(11月から12月)の安値よりも3月の安値の値位置が低い」という条件を満たす値動きとなっていて、1985年から2024年までの期間で上記の2つの条件に当てはまる年が、1990年、1992年、1995年、2001年、2003年、2008年、2009年、2011年、2018年、2020年、2022年の11回ある』と述べました。
そして、これらの年の4月までの展開は「4月までジグザグの下げの流れを継続するパターン(1990年、1992年、1995年、2003年)」「3月に押し目をつけて、3月末まで上昇の流れを作るパターン(2001年、2008年、2009年、2011年、2018年、2020年、2022年)」の2通りに分けることができる、と紹介しました。
今回は、この2通りの展開の年の4月以降の値動きについて見ていきます。
4月に年初来安値を更新した年は、1990年、1992年、1995年、2003年です。
1990年は、4月5日に押し目をつけた後、6月8日まで上昇を経過して、10月1日まで下げています。
1992年は、4月22日に押し目をつけた後、5月14日まで上昇を経過して、8月19日まで下げています。
1995年は、4月4日に押し目をつけた後、5月8日まで上昇を経過して、7月3日まで下げています。
2003年は、4月28日に押し目をつけた後、年末まで上昇の流れを作っています。
3月に押し目をつけて4月が3月の安値を割れていない年は、2001年、2008年、2009年、2011年、2018年、2020年、2022年です。
2001年は、3月15日に押し目をつけた後、5月7日まで上昇して、年初来高値を更新した後、9月21日まで継続する下げの流れへ入っています。
2008年は、3月17日に押し目をつけた後、6月6日まで上昇して、1月の高値に接近した後、上値を抑えられて10月28日まで下げの流れを作っています。
2009年は、3月10日の安値が年間の最安値となって、上昇を開始しています。
2011年は、3月15日に押し目をつけた後、7月8日まで上昇して、その後、11月25日まで下げの流れを作っています。
2018年は、3月26日に押し目をつけた後、10月2日まで上昇の流れを作っています。
2020年は、3月19日に押し目をつけた後、上昇を開始しています。
2022年は、3月9日に押し目をつけた後、3月25日まで反発し、その後、保ち合いの動きへ入っています。
どちらのパターンでも、3月、4月に押し目をつけた後は、一定期間、一定幅の反発を経過しています。
4月に押し目をつけるパターンは、4月以降の反発が年初の高値に接近する動きにならず、下降を開始しています。
3月に押し目をつけるパターンは、3月以降の反発が年初の高値に接近するか、一時的に超える動きになっている場合もあります。
4月に押し目をつける場合、4月の安値が年間の最安値になった年が2003年だけでしたが、3月に押し目をつける場合、3月の安値が年間の最安値になった年が、2009年、2020年の2回あります。
10月まで3月の安値を維持した年も2011年、2018年の2回あります。
3月に押し目をつけた方が、(年初からの下げ幅に対しての)3月以降の反発幅が大きくなりやすく、その後、3月の安値を割れる動きになるまでに日柄がかかりやすいと見ることができます。