米銀、今年の強気な見方は変えないが、短期的に利益損ねるとの指摘=米国株個別
(NY時間11:30)(日本時間00:30)
JPモルガン<JPM> 241.56(-1.30 -0.53%)
シティグループ<C> 69.50(-0.83 -1.18%)
バンカメ<BAC> 41.23(-0.03 -0.06%)
ウェルズ・ファーゴ<WFC> 70.94(+0.25 +0.35%)
ゴールドマン<GS> 537.10(-6.02 -1.11%)
モルガン・スタンレー<MS> 114.33(-1.00 -0.87%)
ウォール街のベテラン銀行株アナリストは、米銀に対する今年の強気な見方を変えていない。だが、トランプ政権の通商政策が二転三転していることが短期的に利益を損ねると見ているようだ。
同アナリストは政策の不透明感から見通しを立てるのは難しいと指摘し、全体的に利益予想を平均4%引き下げている。
トランプ政権の発足で今年はM&Aが増えるとの見方もあったが、トランプ大統領が仕掛ける貿易戦争や地政学的対立という厳しい現実を突き付けられ、市場は動揺している。米経済やインフレへの影響を巡り不安が渦巻く中で、いまのところIPOも期待外れで、銀行勢にとって利益率の高いM&Aは減速している。そのため、同アナリストは投資銀行や融資、債券価格評価、引当金についてより保守的な見方をしているという。
第1四半期のKBW銀行株指数は5%以上の下落となっており、そうなれば23年3月の米地銀危機時以来の大きな落ち込みとなる。
ただ、大規模な規制緩和が今後推進されることを期待し、長期的には楽観的な見方を堅持している。資本市場の回復は遅れているものの、完全に消滅したわけではないと引き続き考えているという。
個別に、シティグループ<C>とJPモルガン<JPM>を有望視。特にJPモルガンは、市場で代表的な役割を果たしていることを踏まえると、ボラティリティーから恩恵を得るはずだと指摘している。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
株探ニュース