伊藤智洋が読むマーケット・シナリオ【週間展望】 4月6日版
日経平均は週明け後の一段安を経過した後、押し目をつける作業へ入る公算
1. 来週のNYダウは押し目をつける作業へ入る公算
NYダウは4日に2231ドル幅の下げを経過して、昨年8月安値の3万8499ドル以下まで下げています。この下げにより、NYダウは2024年12月4日高値の4万5073ドルと2025年1月31日高値の4万5054ドルで作るダブル・トップの下値目標値3万8615ドルへ到達しています。
1月31日以降、5つの波のパターンを形成して、3月26日以降、その中の3波目の下げ場面へ入っているという見方もできます。
その場合の3波の下値の目安が3万8501ドルを大きく下回る水準となるので、4日の下げは3波目の下げと見た場合の下値の目安へも到達しています。
図1は、上段がNYダウの終値の折れ線グラフ、下段が25日の乖離線(終値-25日移動平均線)です。乖離線は、2018年まで勢いの強い動きとなっても、±1000ドルが反転の目安となっています。
2018年以降、上限の振れ幅が大きくなってきていますが、それでも±2000ドルが反転の目安となってきました。
2020年3月のコロナショックで押し目をつける場面だけ、乖離線-6435ドルまで下げています。ちなみに、2008年のリーマン・ショックのときは、乖離線が-2159ドルで反転しています。
4月4日は乖離線が-3565ドルをつけています。
現在の下げが通常の(想定の範囲内、想定外の仕掛けのない)急落に過ぎないなら、4月4日の乖離線の水準は勢いの強い下げが終息していく可能性のある値位置だと判断できます。
以上のチャートの状況を考慮すると、週明け後は押し目をつける作業へ入ると考えられます。押し目をつけた後は、少なくとも(下げ途中の一時的な反発に過ぎないとしても)3月13日から3月26日と同程度の値幅(2160ドル幅)の(4波)の上げを経過する公算です。
図1 NYダウの日足と乖離線