話題株ピックアップ【夕刊】(2):トヨタ、マクセル、日触媒
■トヨタ自動車 <7203> 2,499円 +89 円 (+3.7%) 本日終値
トヨタ自動車<7203>やホンダ<7267>、SUBARU<7270>が急伸。トランプ米大統領は14日、記者団に対し、自動車メーカーが米国内での製造に切り替えるには少し時間が必要となるとの考えを表明したうえで、メキシコやカナダから輸入する自動車や自動車部品に対する25%の追加関税を巡り、米国に製造をシフトさせる自動車メーカーへの支援策を検討していることを明らかにした。追加関税に絡んだ負担が低減されるとの見方から、前日の米国市場では自動車株に買いが入ったが、東京市場でも同様の動きとなっている。日産自動車<7201>やマツダ<7261>も高い。
■マクセル <6810> 1,677円 +38 円 (+2.3%) 本日終値
マクセル<6810>が続伸。午後3時ごろコイン形二酸化マンガンリチウム電池「CR2032S」の量産を4月17日に開始すると発表しており、好材料視された。「CR2032S」は、従来のコイン形二酸化マンガンリチウム電池「CR2032H」をもとに、電池構造と使用材料を最適化することで、高容量化とパルス性能の向上を実現したもの。デバイスを長時間安定的に動作させると同時に、「CR2032H」と比べて電池の交換頻度が減少するため、廃棄物削減や環境負荷の低減に寄与するという。同社では産業用途での販売のほか、海外販売会社を通じてアジア圏内において一般消費者向けの販売も予定しており、業績への貢献が期待されている。
■日本触媒 <4114> 1,673.5円 +26.5 円 (+1.6%) 本日終値
日本触媒<4114>が続伸。午前11時ごろに発表した28年3月期を最終年度とする中期経営計画で営業利益+持ち分法投資損益で350億円(25年3月期予想230億円)を目指すとしたことが好感された。うちソリューションズ事業で185億円(同56億円)を稼ぐとしており、スペシャリティ領域で水処理剤原料、CO2吸収剤など社会課題解決に繋がる製品の売り上げ拡大をはかるほか、エレクトロニクス領域で大型液晶ディスプレー向けの光学フィルム用アクリル樹脂や、半導体向け微粒子の売り上げ拡大などに取り組むとしている。
■京阪神ビルディング <8818> 1,441円 +12 円 (+0.8%) 本日終値
京阪神ビルディング<8818>が6日続伸。14日の取引終了後に関東財務局に提出された変更報告書で、投資会社ストラテジックキャピタル(東京都渋谷区)の保有割合が5.09%から5.97%に上昇したことが判明しており、これを受けて需給思惑的な買いが入ったようだ。なお、保有目的は純投資及び状況に応じて重要提案行為などを行うこととしており、報告義務発生日は4月7日となっている。
■IIJ <3774> 2,430円 -289 円 (-10.6%) 本日終値 東証プライム 下落率2位
インターネットイニシアティブ<3774>が急落。同社は15日、顧客情報の一部が外部に漏えいした可能性があることを10日に確認したと発表した。法人向けのメールセキュリティサービス「IIJセキュアMXサービス」の設備において昨年8月以降、不正なアクセスを受け、サービスを提供している設備上で不正なプログラムが実行されていたという。サービス利用者数として約400万人分の情報が漏えいした可能性があるとしており、今後の事業への影響を懸念した売りがかさんだようだ。漏えいした可能性があるのは、同サービスで作成された電子メールのアカウントやパスワード、同サービスと連携して動作するように設定されていた他社クラウドサービスの認証情報など。現在は安全に利用できる状態となっており、原因や影響範囲について今後調査を継続するとしている。
■グロービング <277A> 1,881円 -206 円 (-9.9%) 本日終値
グロービング<277A>は続落。14日の取引終了後、25年5月期の連結業績予想について、売上高を76億1200万円から81億5000万円(前期比95.2%増)へ、営業利益を21億8400万円から26億円(同7.0倍)へ、純利益を14億100万円から15億円(同5.8倍)へ上方修正し、朝方にはこれを好感する形で反発する場面もあったものの、買いが続かなかったようだ。コンサルティング事業でコンサルタントの中途採用が順調に進み、前期に採用したパートナー層が本格的に稼働し、長期的関係構築を狙う戦略アカウントが拡大したことが要因としている。同時に発表した第3四半期累計(24年6月~25年2月)決算は、前年同期は連結四半期決算を作成していないため前年同期との比較はできないものの、売上高59億5300万円、営業利益21億1800万円、純利益12億2600万円で着地した。
■FPパートナー <7388> 2,324円 -219 円 (-8.6%) 本日終値 東証プライム 下落率6位
FPパートナー<7388>は大幅安。14日取引終了後に24年12月~25年2月期単独決算を発表し、売上高は前年同期比横ばいの83億3200万円、営業利益は同41.5%減の7億9700万円だった。通期で増収増益を見込んでいるだけに失望売りを誘ったようだ。保険業界の環境変化への準備に注力したことで販売商品構成の改善に遅れが発生し、収益性の高い保障系商品の販売が低調となったことが響いた。採用・育成への注力と、既契約者フォローによる新規契約獲得を推進し、通期業績予想の達成を目指すという。
■松屋 <8237> 963円 -90 円 (-8.6%) 本日終値 東証プライム 下落率7位
松屋<8237>は大幅安。14日取引終了後、26年2月期連結業績予想について売上高を前期比3.9%増の500億円、営業利益を同10.8%減の40億円と発表した。営業最高益を記録した前期から一転減益となる見通しを示したことから、これが嫌気された。配当予想は前期比据え置きの12円。同時に発表した25年2月期決算は売上高が前の期比16.7%増の481億2000万円、営業利益が同50.8%増の44億8500万円だった。富裕層を中心とした堅調な消費動向や、訪日外国人観光客による免税売上高が引き続き好調だったことが追い風となった。
■テレ朝HD <9409> 2,326円 -162 円 (-6.5%) 本日終値 東証プライム 下落率9位
テレビ朝日ホールディングス<9409>は反落。14日取引終了後、大株主の朝日新聞社と大日本印刷<7912>による合計785万2200株の売り出しを実施すると発表した。需要状況に応じて上限117万7800株のオーバーアロットメントによる売り出しも行う。売り出し価格は22日から24日までのいずれかの日に決定する。株式需給の悪化を懸念した売りが出た。なお、売り出しに伴う株式需給への影響を緩和するため、自社株買いを実施するとあわせて発表した。取得上限は200万株(自己株式を除く発行済み株数の2.0%)、または30億円。期間は売り出しの受け渡し期日の翌営業日から10月31日まで。
■東宝 <9602> 7,636円 -344 円 (-4.3%) 本日終値
東宝<9602>が続落。同社は14日の取引終了後、25年2月期の連結決算発表にあわせ、26年2月期の業績予想を開示した。今期の売上高は前期比4.2%減の3000億円、最終利益は同13.5%減の375億円と減収減益を計画しており、嫌気されたようだ。前期に好調だった「ゴジラ-1.0」の国内外での配信権収入のはく落や、帝国劇場の一時休館が響く。あわせて同社は28年2月期までの中期経営計画を公表。営業利益700億円以上(25年2月期は646億8400万円)に伸ばすとともに、配当方針については年85円の配当を下限に配当性向を35%以上(従来は年40円の配当をベースに配当性向30%以上)とする目標を掲げた。
株探ニュース