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「あ~勘違い」の割安・お宝銘柄狙いで元本は40倍~パート2

特集
2025年6月26日 10時05分

目指せ億トレ、頑張り投資家さんの稼ぎ技
トランプ波乱を勝ち抜く技

ジンジバリスさんの場合-最終回

登場する銘柄
リテールPT<8167>、カカクコム<2371>

取材・文/真弓重孝、高山英聖、イラスト/福島由恵

【タイトル】イラスト:福島由恵
■ジンジバリスさん(ハンドルネーム・50代・男性)のプロフィール:
大学院博士課程修了後、大学教員を経て、現在は家業の医療法人を継いでいる。株式投資は、教員時代の2004年に「将来の備え」のためにスタート。初心者の頃はグロース投資に挑むも、ボラの高さにメンタルがついていけず断念した。投資スタイルを見直し、最終的に行き着いたのが現在の「イベント&バリュー」戦略になる。元本を40倍に膨らまし、足元の日本株運用額は4200万円。日本株を含めた全体の金融資産では1億円を超える。ハンドルネームのジンジバリスは歯周病を引き起こす細菌の名称で、歯科医の立場から認知度が高め、予防に努めてほしいという思いから命名したという。「株探-個人投資家大調査-2025」の回答者で、投資スタイルは「バリュー重視」となる。日本株投資の腕前は「上級者」となる。

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この記事を読んで分かること
1. PERの急低下に注目した理由
2.「日経225の入れ替えイベント」での着眼点
3. 元本40倍化をもたらした根底にあるもの

「PER(株価収益率)が12倍から2倍に急低下したぞ。これは買いだ」

今回登場中のジンジバリスさん(ハンドルネーム)は、イベントやカタリスト(株価変動のきっかけ)で、一時的に市場が判断ミスする「あ~勘違い割安銘柄」狙いの戦略などで元本を40倍に膨らますことに成功した。

その戦略でこれまで最も成功したのが、山口県および大分県、福岡県を地盤に食品スーパーを展開しているリテールパートナーズ<8167>だ。同社株の取得に動き始めたのは、8年前の2017年7月になる。

同社が18年2月期第1四半期(1Q)決算を発表した時期で、発表した翌営業日に同社のPERは一気に6分の1になったのを、カタリスト(株価変動のきっかけ)とした。

このPER急低下を、ジンジバリスさんは「勘違い割安」の動きと捉えた。それはなぜか? 最終回は、決算や指数構成銘柄に関するカタリストを利用した「勘違い割安狙い」戦略について見ていく。

■『株探プレミアム』で確認できるリテールPTの長期日足チャート(上段)とヒストリカルPER

【タイトル】

注:期間は2017年3月~18年7月

PER急低下、「一時的」と判断した理由

ジンジバリスさんは、17年7月にリテールPTのPERが急低下した際、割安でお買い得になったとは判断していない。むしろ低下は形だけのもので、実態は「低下前の水準から大きく変化していない」と分析していた。

それでも購入を決断したのは、「割安になった」と勘違いした投資家の買いが集まることで、「株価が上昇する可能性がある」と読んだのだ。

ジンジバリスさんの思惑通り、購入後の同社株は上昇基調となり、購入から10カ月後の18年5月には買値の1.6倍の水準となった。その時点で利確し、210万円のリターンを獲得した(上のチャート)。

ジンジバリスさんは、なぜ、購入時のPER急低下を形だけのものと考えたのか?

また前回に見たように通常は次の決算発表が近づいたところで利確を検討するのに、なぜこの例では決算マタギをしたのか?

そのキーワードには、2つの特別があった。

※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。

次ページ リテールPTのPER急低下を「形だけのもの」と判断した理由

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