伊藤智洋が読むマーケット・シナリオ【週間展望】 7月13日版
日経平均は7月中に3万6855円まで下げる公算か
1. 6月の高値が年間の最高値になる年とならない年の違い
6月29日の本コラムでは「 日経平均株価の年足が陽線で引ける年は、年初に年間の最安値をつけて、年末に年間の最高値をつける。4月頃までに年間の最安値をつける」、「年足が陰線で引ける年は、年初に年間の最高値をつけた後、年末まで下げの流れを作る。6月までに年間の最高値をつける」と紹介しました。
本年は1月から4月まで下降の流れを作り、年足が陰線引けする可能性のあるパターンを作っています。6月までに年間の最高値をつける可能性のある状態で、6月30日に戻り高値をつけて上値を抑えられています。
6月30日高値の4万0852円が年間の最高値になる可能性のある状況ですが、現時点ではまだ7月以降に4万0852円を超える可能性を無視できません。
今回は、6月に年初来高値を更新した後、上値を抑えられた年のその後の値動きを見ていきます。
6月以降に価格がいったん下げた後、どのような値動きになると、「6月の高値を更新するのか」、「6月の高値が年間の最高値になるのか」、その値動きの違いを見ていきます。
1990年から2024年までの期間で6月に年初来高値をつけた後、上値を抑えられた年は「1993年、1994年、1996年、1997年、2009年、2015年、2017年、2023年」が挙げられます。
このうち1994年、1996年、1997年、2015年は、6月の高値が年間の最高値となっています。
6月以降が弱気の展開になる場合、6月、7月、8月のどこかで値幅の伴った下げ場面が表れています。
1996年は、7月に年初来安値へ近づく下げ場面になっています。
1997年、2015年は、8月末までに年初来安値へ接近しています。
1994年は、6月に戻り高値をつけた後、11月までジグザグに下げの流れを継続しています。
1993年、2009年、2017年、2023年は、6月以降に上値を抑えられた後、再上昇を開始して6月以降に年間の最高値を更新しています。
1993年は、6月上旬に戻り高値をつけた後、下旬までに大きく下げて、6月下旬の安値が押し目になった後、上昇を開始して9月に6月の高値を超えています。
2009年は、6月に戻り高値をつけた後、下値を試す動きを経過して、7月中旬に押し目をつけた後、上昇を開始して7月に6月の高値を超えています。
2017年、2023年は、6月に戻り高値をつけた後、ジグザグに上値、下値を切り下げて、9月、10月に押し目をつけた後、年末へ向けて上昇を開始して6月の高値を超えています。
1993年、2009年以外は、その後の価格が6月の高値を超えるか否かにかかわらず、9月までジグザグに下値を切り下げる動きとなっています。
1994年のように10月以降の下げの流れを継続した年や、1996年、1997年、2015年のように、7月、8月に大幅安を経過した年は、6月の高値が年間の最高値になっています。