モデルナ、決算受け下落 売上高見通しを下方修正=米国株個別
(NY時間10:49)(日本時間23:49)
モデルナ<MRNA> 26.80(-2.77 -9.35%)
ワクチンのモデルナ<MRNA>が下落。取引開始前に4-6月期決算(第2四半期)を発表し、売上高は大幅な減収となったものの予想は上回った。1株損益の赤字も予想ほどは膨らまなかった。だた、株価は冴えない反応。通期ガイダンスも公表し、売上高の見通しを下方修正している。レンジの上限を引き下げた。これについて同社は、英国との契約売上の納品が26年第1四半期にずれ込んだことが主因と説明している。
アナリストは「米国でのワクチン需要への懸念に加え、英国の納品遅延が新たな懸念材料となった」と述べたほか、「今回の下方修正はメルク<MRK>と進めているがんワクチンプログラムが期待通りに進まなかった場合のキャッシュフローリスクを強調している」とも述べた。
今回の決算で同社は、コスト削減努力がコロナワクチン事業の縮小に対する投資家の懸念を払拭できなかった。同社はコスト削減に注力し、一定の成果も見られる。約10%の人員削減のほか、サプライヤーとの契約見直し、研究開発・製造費用の削減も実施中。2028年までの損益均衡達成を維持している。
また、ケネディ保健福祉長官に就任したことで同社の状況はさらに悪化。長官の下で、米当局は子どもや妊婦へのコロナワクチン接種に関する勧告を撤回し、新型のコロナワクチンが限定承認となったうえ、鳥インフルエンザワクチン開発に関する契約も打ち切られた。また、2つ目の製品であるRSV(呼吸器合胞体ウイルス)ワクチンも十分な普及には至っていない。
(4-6月・第2四半期)
・1株損益:2.13ドルの赤字(前年:3.33ドルの赤字)
・売上高:1.42億ドル 41%減(予想:1.08億ドル)
コロナワクチン:1.14億ドル
・研究開発費:7.00億ドル(予想:10.1億ドル)
・営業損益:9.07億ドルの赤字(予想:12.2億ドルの赤字)
(通期見通し)
・売上高:15~22億ドル(従来:15~25億ドル)(予想:20.7億ドル)
・資本支出:約3億ドル(従来:約4億ドル)(予想:3.99億ドル)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
株探ニュース