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ESG最前線レポート ─「"服の墓場"、砂漠の中心でサステナブルファッションを叫ぶ」

市況
2025年8月2日 11時00分

第46回 「“服の墓場”、砂漠の中心でサステナブルファッションを叫ぶ」

●コペンハーゲンで「グローバル・ファッション・サミット」開催

デンマークを拠点とする非営利団体が主催する、ファッション業界に特化したサステナビリティ会議「グローバル・ファッション・サミット」が、6月3日~5日にコペンハーゲンで開催されました。同サミットは2009年に始まり、ファッション業界の持続可能性を加速させることを目的に、政策提言や報告書の作成、国際連携などを行っています。

今年のテーマは「障壁と架け橋(Barriers and Bridges)」。地政学的リスク、EU(欧州連合)における「企業持続可能性デューデリジェンス指令(CSDDD)」の一部凍結といった規制の後退、さらにはトランプ政権の関税政策による経済的不安など、サステナビリティ推進に逆風が吹く中で、それらの課題をいかに乗り越えるかについて、政策立案者、企業経営者、NGO(非政府組織)、投資家らが議論を交わしました。

●「服の墓場」の衣料品でファッションショー

チリには、世界中から大量の古着や売れ残りの衣料品が持ち込まれています。国内市場に出回るものもありますが、それでも消費し切れなかった衣類は、最終的にアタカマ砂漠に不法投棄されています。その衣類の山は、なんと衛星写真でも確認できるほどの規模となっており、「服の墓場」とも呼ばれています。

これらの多くはポリエステルなどの合成繊維で構成されており、生分解されないため、深刻な環境汚染を引き起こしています。さらに、衣類の焼却などにより現地の人々に健康被害が及ぶケースもあり、環境問題にとどまらず人権問題とも言うべき事態となっています。

2024年4月には、そのアタカマ砂漠で不法投棄されていた廃棄衣類を回収・再利用して制作した衣装によるファッションショーが開催されました。さらに2025年3月には、現地で見つかったブランド衣類をクリーニングし、オンライン上で無料販売する取り組みも行われました。「服の墓場」から、衣料品の生産から廃棄に至るプロセスまでを問い直し、ファッション業界と消費者双方に責任を投げかけるメッセージが込められています。

●繊維製品業界、アパレル業界で進む環境配慮

2025年2月、EU理事会と欧州議会は、繊維製品に拡大生産者責任(EPR)を導入する改正案について暫定合意に達しました。これが実施されれば、繊維生産者やアパレルブランドは、消費者が廃棄した製品の回収・リサイクルにかかる費用を負担することになります。

日本の繊維企業やアパレル企業も、近年、環境配慮への取り組みを加速させています。多くの企業が環境負荷に関する情報開示を強化し、製品への環境配慮型素材の使用率に関する目標を掲げ、衣料廃棄、いわゆる「ファッションロス」の削減に取り組んでいます。

衣類を購入するとき、また投資を行うとき、価格の安さだけでなくサステナビリティにも目を向けることで、私たちも消費者として、投資家として、この問題の解決に主体的に参画することができるのです。

情報提供:株式会社グッドバンカー

(2025年7月29日 記/次回は8月30日配信予定)

株探ニュース

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