概要・株価
チャート
ニュース
かぶたん ロゴ
PR
かぶたん プレミアムこの記事はプレミアム会員限定です

「え、退職金を全額投入!?」「ですから損スルーに徹し、配当は月10万円超えペースです」

特集
2025年8月19日 10時40分

目指せ億トレ、頑張り投資家さんの稼ぎ技
トランプ波乱を勝ち抜く技

富久さんの場合-1回完結

登場する銘柄
CAICAD<2315>、トヨタ<7203>、キヤノン<7751>、三井住友<8316>、東京海上<8766>

取材・文/真弓重孝、高山英聖、イラスト/福島由恵

【タイトル】イラスト:福島由恵
■富久さん(ハンドルネーム・60代・男性)のプロフィール:
退職金を運用しようと、2020年に株式投資を本格的に開始。累積で3000万円ほど投じた元本は2倍以上に膨らみ、現在、日本株で7000万円を運用している。「老後資金を減らさず、趣味に使える小遣いを増やしたい」と、高配当の大型株でポートフォリオを構成したことが奏功。新卒から勤務してきた金融機関では定年退職した後、再雇用の契約を結び、現在も同じ職場で働いている。趣味は登山。「株探-個人投資家大調査-2025」の回答者で、投資スタイルは「配当・株主優待重視」、日本株投資の腕前は「上級者」となる。

「投資家検索サービス」を使う

「目指せ億トレ、頑張り投資家さんの稼ぎ技」を見る

「トランプ波乱を勝ち抜く技」の記事一覧を見る

この記事を読んで分かること
1. 損失の少ない安定収入体制を築いた方法
2. とことん大型株にこだわる理由
3. 「テンバガーはあえて狙わない」と決断した背景

足元の日経平均株価は史上最高値の更新が続く状況だが、約1年前と4カ月前には、過去半世紀の中で下落幅が1番目と3番目となったショックに襲われた。

そんな激しい下落が立て続けに起きた中でも、今回登場する富久さん(ハンドルネーム)は、この5年間で実現損を食らったのは1度きりで、その額は80万円ほど。現在運用している7000万円をベースにすれば、1%程度の水準に収まっている。

■日経平均株価の下落幅の大きい順と、その日の下落率

順位日付終値騰落幅騰落率下落率
順位
1位2024年08月05日3万1458円42銭▲4451円▲12.4%2位
2位1987年10月20日2万1910円08銭▲3836円▲14.9%1位
3位2025年04月07日3万1136円58銭▲2644円▲7.8%9位
4位2024年08月02日3万5909円70銭▲2217円▲5.8%24位
5位1990年04月02日2万8002円07銭▲1978円▲6.6%15位
6位2024年09月30日3万7919円55銭▲1910円▲4.8%50位
7位2024年09月04日3万7047円61銭▲1639円▲4.2%69位
8位1990年02月26日3万3321円87銭▲1569円▲4.5%63位
9位2025年03月31日3万5617円56銭▲1503円▲4.0%82位
10位1990年08月23日2万3737円63銭▲1473円▲5.8%23位

出所:QUICK。注:1976年4月1日以降。▲はマイナス

退職金を全額投資に回して、2020年から日本株投資に本腰を入れた富久さんにとっては、資産を食いつぶす「損」は本人の辞書から消さなくてはならない言葉だ。

実際、足元のポートフォリオでは含み損があるのは5銘柄。ポートフォリオ全体の55銘柄のうち10%に満たない割合となっている。

損を最小限に抑えながら、当初目標とした月10万円ベースの配当収入を得ているのが富久さんだ。2024年の1年間で得た配当収入は150万円(税引き後)になる。

損を極力スルーしながら、“毎月10万円の配当年金”を受け取っている富久さんの投資のツボをこれから見ていこう。

■「配当・株主優待狙い」での富久さんの位置づけ(右上)

【タイトル】

“損スルー運用”に徹するきっかけは、ある小型グロース株での失敗

富久さんがこれまでの運用で唯一、損を出してしまったのが、金融系のシステム開発や暗号資産などを手掛けるCAICADIGITAL<2315>だ。同社は東証スタンダード市場に上場し、足元では時価総額100億円に満たない小型株だ。

富久さんが同社に投資を始めたのは2020年6月(下のチャート)。新卒入社した金融機関を定年退職した直後で、老後資金つくりのために株式投資に本腰を入れたばかりのころだ。

当時は、暗号資産への関心が高まっていたこともあり、関連銘柄のCAICAD<2315>も動意づき始めた直後だった。その状況から、「テンバガー(10倍化)も夢ではない」(本人)と飛び乗ったのだ。

買値は440円。思惑通り、購入から半年たった21年初頭に株価が急騰、同年2月には880円の高値をつけた。富久さんは、さらなる期待を込めて高値圏で買い増したが、株価はその後に急落。21年末に200円と、平均購入価格を大きく割り込んでしまった。

■CAICADの週足チャート(2019年2月~)

【タイトル】

注:出来高・売買代金の棒グラフの色は当該株価が前期間の株価に比べプラスの時は「赤」、マイナスは「青」、同値は「グレー」。以下同

富久さんは塩漬けしていたが、その後も株価はじりじりと値を下げ、今年1月に損切りをようやく決断。株価は100円未満となっていた。

購入から1年もしない間に急騰と急落したCAICADの様を見て、富久さんが改めてその威力を感じることになったのが、ある国際優良銘柄の存在だ。その銘柄は、本人が退職する10数年前に「今後の練習に」とガチホ(保有継続)してきたものだった。

富久さんが、「損スルー運用」を目指すポートフォリオの構築に力を入れることになったその銘柄とは。

※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。

次ページ 損スルー運用へと導いた銘柄と、安定運用のために3つのポイント

 

かぶたん ロゴ
こちらは株探プレミアム限定記事です。プレミアムプランをご契約して読むことができます。
株探プレミアムに申し込む (初回無料体験付き) プレミアム会員の方はこちらからログイン
プレミアム会員になると...
株価情報をリアルタイムで提供
企業業績の表示期数を拡大
限定コラムが読み放題

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

プレミアム会員限定コラム

お勧めコラム・特集