アルゼンチンの市場が不安定に ミレイ大統領の陣営がブエノスアイレス州選挙で敗北
アルゼンチンの市場が不安定になっており、同国のドル建て国債とペソが急落している。ペソは7%安。ミレイ大統領の陣営がブエノスアイレス州の選挙で敗北したことで、同大統領の経済政策に対する政治的支援への懸念が深まっている。ペソは1ドル=1450ペソと、取引幅の上限近くまで下落した。
ブエノスアイレス州選挙でミレイ大統領の政党は予想を大きく下回り、開票率99%時点で左派ペロニスト野党に約14ポイント差をつけられた。投資家は5ポイント以上の敗北で資産売却が加速すると予想していたため、この結果は失望感をもたらしている。
ミレイ陣営の敗北を受け、米大手証券のエコノミストとストラテジストは先週開始したばかりのアルゼンチン資産買い推奨を撤回した。「改革継続の可能性に市場が疑問を抱き、将来の対外資金調達源への不確実性が高まる下方シナリオの可能性が高まった」と指摘している。
全国有権者の約40%を占めるブエノスアイレス州は、歴史的にペロニズムの牙城。ミレイ陣営の勝利確率は低かったものの、投資家は来月の中間選挙を前に政治情勢を測る指標として同州の選挙結果に注目していた。
ここ数週間、リバタリアン主義の同大統領は、金融セクターの流動性を制限することで通貨安を防ごうとしていたが、その代償として金利は急騰していた。最終手段として当局が為替介入したことで、政府のドル準備高に対する懸念が高まった。
ミレイ大統領はまた、妹カリーナが関与した汚職スキャンダルの余波にも対処しており、これが大統領の有権者からの支持に対する懸念を強めていた。政府は不正行為を否定している。
株探ニュース