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「教科書」信者を卒業したら、5000万円が3億円

特集
2025年10月3日 10時50分

すご腕投資家さんに聞く 『銘柄選び』の技

趙(ちょう)さんの場合-第3回

登場する銘柄
RIZAP<2928>、日本ライフL<7575>、チャームケア<6062>、トリケミカル<4369>

取材・文/真弓重孝、高山英聖、イラスト/福島由恵

【タイトル】イラスト:福島由恵
■趙さん(ハンドルネーム・40代・男性)のプロフィール:
投資歴18年の専業投資家。中小型グロース株に長期・集中投資を行い、累積で1000万円の元本から3億5000万円のトータルリターンを生み出す。投資は、2007年、大学時代に開始。その後修士課程を経て就職するも、会社員生活が合わず入社1年で専業投資家に転身した。当初はバリュー分散投資を実践していたが、「より早く大きく増やしたい」と、17年に現在のスタイルにシフトした。現在、「ある夢」を叶えるため、投資で資産100億円を目指している。

第1回「『より早く、より大きなリターン』のために、3つの工夫で3.5億円」を読む

第2回「カバーは『?』でANYCOLORは『◯』で、4100万円のツボ」を読む

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この記事を読んで分かること
1. これまでの勝ちパターンを手放した理由
2. スタイル転換のきっかけとなった、ある著名投資家の発言
3. 「早く、大きなリターン」を追求する原動力

「ミスターマーケット」には、勝てたかな。 

すご腕と呼ばれる投資家ほど、TOPIX(東証株価指数)と自身のパフォーマンス(運用成績)を比較している人が多い。日々チェックを怠らないという場合もあれば、週次や月次または年次で比べているという例もある。

TOPIXとの比較は、自分の投資法に改善の余地があるのかを判断する材料になる。負けが続くなら、インデックス投資に切り替えるか、戦略を大胆に見直さない限り、効率よくリターンを稼ぐことはままならない。

負けずとも、自分の思い描く勝ちを手にできなくなったら、見直しに着手することも必要だ。今回登場の趙さん(ちょうさん、ハンドルネーム)は、まさにこの経験をした。

趙さんが、それまでの戦略を見直す決断をし、実行に移したのは、2016年末だった。その判断が奏功し、運用資産は16年末の5000万円から25年8月末には3億1000万円に増え、この期間の対TOPIXの超過リターンは+418%となっている。

これらの成果をもたらしたポイントは3つ。1つ目は「低リスク・高リターンの中小型グロース狙い」、2つ目は「機会損失を極力避ける」。そして最後が、今回の記事で紹介する「これまでの勝ちパターンにこだわらない」だ(下の表)。

これまでの勝ちと言うように、趙さんは従来の手法でもTOPIXに負けた年は11年末~16年末で1回のみ。それもわずかな差での負けだ。なぜ、趙さんは、これまで親しんできた勝ちパターンを捨てることにしたのか。

■趙さんが日本株投資で工夫している3つのポイント

内容掲載
低リスク・高リターンの中小型グロース狙い第1回
機会損失を極力避ける第2回
これまでの勝ちパターンにこだわらない今回

あるカリスマ投資家の勝ち技に目を奪われる

先に触れたように、趙さんは従来の投資法でも運用資産を4倍以上にしている。具体的には、11年末は1200万円だったのが、16年末には5000万円に膨らました。

だが、年を追うごとに趙さんは、ストレスを感じるようになっていた。期待していたパフォーマンスが、低下する一方だったからだ。

専業デビューしてからの2年は良かった。11年末時点と12年末時点での対TOPIX超過リターンは90%と49%の高水準だった。この勢いを削ぐ状況となったのが、アベノミクスだ。

13年春に黒田バズーカ(日銀の異次元緩和政策)の号砲が世界中に響き渡り、日本株市場が底上げされていくモードに転じると、13年末にはTOPIXをわずかにアンダーパフォームした(下のグラフ)。14年~16年は再びアウトパフォームしたが、従前からは下り坂の状況だった。

■趙さんとTOPIXの年間騰落率と運用残高の推移

【タイトル】

注:2011年末~16年末

「このままでは、自分の夢を叶える資金を築くことなど、到底できない。今までのやり方をゼロから変える」と本人は意を決した。

その決意を促すきっかけとなったのが、あるカリスマ投資家の存在だった。その投資家は、趙さんが視聴していた経済ニュース番組でインタビューを受けていた。そこで、発せられていたのが、大きなリターンを生むためのエッセンスだった。

趙さんは、大学院でファイナンス理論を学び、それを投資に生かしてきた。しかし、カリスマ投資家が発していたメッセージは、それまでの学びや実践とは180度異なる内容だった。

※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。

次ページ 趙さんが影響を受けた著名投資家とは

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