ギリアド、特許訴訟で和解 株価は伸び悩む バロンズ紙がコラムで取り上げる=米国株個別
(NY時間12:12)(日本時間01:12)
ギリアド<GILD> 113.63(+0.94 +0.83%)
ギリアド・サイエンシズ<GILD>は取引開始前に、ルピン、シプラ、ローラス・ラボとのビクタルヴィ特許訴訟の和解合意を発表した。和解条件の詳細は公表されていない。
アナリストは、今回の特許延長が割引キャッシュフロー(DCF)価値に6-12ドルの上乗せ要因となると指摘。また、この和解によって、米国での特許期間が現行の2033年12月から2036年4月まで延長される見込みだとも述べている。
また、週末のバロンズ紙のコラムで、同社はウォール街の信頼を取り戻しつつあると伝わっている。新しいHIVおよびがん治療薬の伸びを背景に業績が回復しているという。同社はかつてC型肝炎治療薬に依存していたが、現在は主力のHIV治療薬と急成長する腫瘍学ポートフォリオが収入の大半を占めており、より安定した長期成長に向けた体制が整いつつあると論じた。
直近の決算では利益が市場予想を上回り、アナリストによる投資判断や目標株価の引き上げが相次いだ。コンセンサス予想では2025年の通期1株利益は前年比75%増加し、利益率も拡大する見通し。
アナリストは「現在の株価上昇は、より持続可能な事業と低い株価収益率(PER)に支えられており、長期投資家にとって遥かに安心できる状況だ」と述べている。大型買収に経営資源を割くことなく、バリュエーションもなお控えめな水準にある中、HIVとがん治療に特化する同社の戦略は、バイオ業界で最も健全な復活劇の1つになり得るという。
ただ、株価は買い先行で通常取引が始まったが、伸び悩む展開。
【企業概要】
HIV・ウイルス性肝炎・新型コロナウイルス感染症・癌などの生命を脅かす病気の予防と治療のための革新的な医薬品の発見・開発に取り組むバイオ医薬品会社。HIV治療における初の単剤レジメン、COVID-19治療薬などのほか、B型・D型肝炎や炎症性腸疾患などの治療薬の開発を進める。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
株探ニュース