中国の長期休暇、旅行回数は増加も支出は控えめ

中国国民は１０月初旬の８日間に渡る大型連休中に旅行回数を増やしたものの、１回あたりの支出は前年より少なく、支出低迷が続いていることが示された。ウォールストリート・ジャーナル（ＷＳＪ）が伝えた。

中国文化観光省が９日発表したデータによると、国慶節（建国記念日）と中秋節を組み合わせた今年の大型連休期間中、中国国内の旅行者数は延べ８億８８００万人に上り、総支出額は８０９０億元（約１７兆３５００億円）に達した。

例年よりも休暇が長かったこともあり、いずれも前年を上回ったが、公式データを基に計算したところ、今年の１回あたりの旅行支出は９１１元で、前年より少なかったという。

中国政府は高額商品購入時の下取り促進や、子どもが複数いる家庭への現金給付など、需要喚起策を講じてきたものの、今年の国内消費は低調に留まっている。

旅行に出かけた人は多かったものの、支出は控えめで、所得の伸び悩みや不動産市場の低迷を背景に家庭が予算重視の選択をするなど、中国全体に及ぶ消費レベルの引き下げを反映している。

中国のオンライン映画チケット販売・データプラットフォーム「猫眼」によると、８日間の映画興行収入は １８億４０００万元、観客数は５００７万人となった。ただ、チケットの平均価格は３６．６元で、過去５年間で最低だった。

株探ニュース