JPモルガン、好決算も株価下落 通期NIIの見通しを上方修正=米国株個別
(NY時間09:41)(日本時間22:41)
JPモルガン<JPM> 297.64(-10.33 -3.35%)
JPモルガン<JPM>が取引開始前に7-9月期決算(第3四半期)を発表し、経常収益が予想を上回った。トランプ関税によるボラティリティの高まりを追い風に、トレーディング部門が債券・為替・商品(FICC)、株式とも予想を上回ったほか、投資銀行部門も好調だった。M&Aなどディールメイキングの回復が後押しした。手数料収入のうち株式引受手数料が53%増加した。一方、純受取利息(NII)は予想を下回ったものの、通期のNIIの見通しは上方修正した。
ダイモンCEOは声明で「高い顧客活動が継続し恩恵を受けた。米経済は概ね堅調に推移しているが、不確実性は依然として高い。特に雇用の鈍化など、一部に軟化の兆しが見られ、地政学的リスク、関税、貿易問題が引き続き不透明要因となっている」と述べた。同CEOは慎重な見方を示していたものの、これまでもその傾向が強い。
ただ、好決算ではあったものの、市場はネガティブな反応を見せている。大手銀の決算はある程度好調との見方が、事前のコンセンサスとなっていたことや、本日は市場全体にリスク回避の雰囲気が広がっており、銀行株も下落している。
(7-9月・第3四半期)
・1株利益:5.07ドル
・経常収益(調整後):471.2億ドル(予想:454.8億ドル)
FICCトレーディング:56.1億ドル(予想:53.3億ドル)
株式トレーディング:33.3億ドル(予想:30.4億ドル)
投資銀行:26.9億ドル(予想:26.7億ドル)
アドバイザリー:9.26億ドル(予想:9.01億ドル)
株式引受:5.27億ドル(予想:4.57億ドル)
債券引受:11.7億ドル(予想:11.6億ドル)
純受取利息(NII)(調整後):240.7億ドル(予想:241.6億ドル)
・貸付金残高:1.44兆ドル(予想:1.42兆ドル)
・預金総額:2.55兆ドル(予想:2.58兆ドル)
・貸倒引当金:34.0億ドル(予想:30.8億ドル)
・純信用損失:25.9億ドル(予想:25.8億ドル)
・普通CET1比率:14.8%(予想:15.1%)
・自己資本利益率(ROE):17%(予想:15.7%)
・有形自己資本利益率(ROTCE):20%(予想:18.8%)
・運用資産残高:4.60兆ドル(予想:4.52兆ドル)
(通期見通し)
・純受取利息(NII):約958億ドル(従来:約955億ドル)(予想:954.7億ドル)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
株探ニュース