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JPモルガン、好決算も株価下落 通期NIIの見通しを上方修正=米国株個別

材料
2025年10月14日 22時44分

(NY時間09:41)(日本時間22:41)

JPモルガン<JPM> 297.64(-10.33 -3.35%)

JPモルガン<JPM>が取引開始前に7-9月期決算(第3四半期)を発表し、経常収益が予想を上回った。トランプ関税によるボラティリティの高まりを追い風に、トレーディング部門が債券・為替・商品(FICC)、株式とも予想を上回ったほか、投資銀行部門も好調だった。M&Aなどディールメイキングの回復が後押しした。手数料収入のうち株式引受手数料が53%増加した。一方、純受取利息(NII)は予想を下回ったものの、通期のNIIの見通しは上方修正した。

ダイモンCEOは声明で「高い顧客活動が継続し恩恵を受けた。米経済は概ね堅調に推移しているが、不確実性は依然として高い。特に雇用の鈍化など、一部に軟化の兆しが見られ、地政学的リスク、関税、貿易問題が引き続き不透明要因となっている」と述べた。同CEOは慎重な見方を示していたものの、これまでもその傾向が強い。

ただ、好決算ではあったものの、市場はネガティブな反応を見せている。大手銀の決算はある程度好調との見方が、事前のコンセンサスとなっていたことや、本日は市場全体にリスク回避の雰囲気が広がっており、銀行株も下落している。

(7-9月・第3四半期)

・1株利益:5.07ドル

・経常収益(調整後):471.2億ドル(予想:454.8億ドル)

FICCトレーディング:56.1億ドル(予想:53.3億ドル)

株式トレーディング:33.3億ドル(予想:30.4億ドル)

投資銀行:26.9億ドル(予想:26.7億ドル)

アドバイザリー:9.26億ドル(予想:9.01億ドル)

株式引受:5.27億ドル(予想:4.57億ドル)

債券引受:11.7億ドル(予想:11.6億ドル)

純受取利息(NII)(調整後):240.7億ドル(予想:241.6億ドル)

・貸付金残高:1.44兆ドル(予想:1.42兆ドル)

・預金総額:2.55兆ドル(予想:2.58兆ドル)

・貸倒引当金:34.0億ドル(予想:30.8億ドル)

・純信用損失:25.9億ドル(予想:25.8億ドル)

・普通CET1比率:14.8%(予想:15.1%)

・自己資本利益率(ROE):17%(予想:15.7%)

・有形自己資本利益率(ROTCE):20%(予想:18.8%)

・運用資産残高:4.60兆ドル(予想:4.52兆ドル)

(通期見通し)

・純受取利息(NII):約958億ドル(従来:約955億ドル)(予想:954.7億ドル)

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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