バークシャーが決算 営業利益が予想上回る 現金保有が過去最高 株価は小幅安=米国株個別
(NY時間10:12)(日本時間00:12)
バークシャー<BRK/B> 474.32(-3.22 -0.67%)
バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイ<BRK.B>が土曜日に7-9月期決算(第3四半期)を発表し、営業利益が135億ドルと34%増加した。予想も上回った。自然災害の発生が平年より少なかったことから保険引受利益が3倍を超える増益となった。一方、現金保有は過去最高の3817億ドルに達した。ただ、投資会社の場合、これは一概にポジティブとは言えない。
同社は8月にユナイテッドヘルス<UNH>を16億ドル相当購入。10月にはオキシデンタル<OXY>の石油化学部門オキシケムを、約97億ドルで買収すると発表。バフェットCEOの買収意欲が復活したように見えた。しかし第3四半期は動きを控え、期間中に61億ドル相当の株式を売却した。現金残高が膨らむ一方で、投資利益は短期金利の低下を背景に13%減の32億ドルだった。
保険事業については、一次保険と再保険の両部門がそろって税引き前ベースで引受利益を計上。前年同期は赤字だった。ただ、自動車保険子会社のガイコでは保険金請求の増加により税引き前の引受利益が13%減少。それでも新規契約者の獲得は続いているという。
バフェット氏は年内で引退。アベル副会長がCEO職を引き継ぐ時期が近づいている。バークシャーは自社株買いを5四半期連続で見送った。バフェット氏が5月に引退を発表して以降、株価は約12%下落している。
アナリストは「株主に送られたのは非常に強いメッセージのようだ」と指摘。「会社が株式を買い戻さないなら、投資家が買う理由はどこにあるだろう」と述べている。また、「利益は伸びているが今期は増収率が鈍く、投資家心理を明るくするものではない。株価上昇の材料を見出すのは難しい」とも指摘している。
ただ、株価の反応は小幅安。
(7-9月・第3四半期)
・営業利益:134.9億ドル 34%増(予想:123.8億ドル)
保険引受利益:23.7億ドル
保険投資利益:31.8億ドル 13%減
BNSF(鉄道):14.5億ドル 4.8%増
バークシャー・ハサウェイ・エナジー:14.9億ドル 8.6%減
製造・サービス・小売事業:36.2億ドル 8.2%増
その他営業利益:13.8億ドル
・保険フロート:1760億ドル
・現金保有:3816.7億ドル
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
株探ニュース